コロンビア 2-0 ウルグアイ|「10番」の輝き J・ロドリゲスの2ゴールでコロンビア、史上初のベスト8

2014年06月29日 熊崎敬

J・ロドリゲスの2発でコロンビアが完勝。

 コロンビアが史上初のベスト8進出を決めた。
 
 快挙の立役者は背番号10のハメス・ロドリゲス。22歳のレフティーは、この試合でも美しいゴールを2度突き刺し、マラカナンを埋め尽くした同胞たちを狂喜させた。これで5ゴールと得点ランキングでもトップ。その輝きはネイマール、メッシにも負けていない。
 
 若き英雄ロドリゲスが脚光を浴びているが、智将ペケルマンの手綱さばきも見逃せない。この経験豊富なアルゼンチン人は、気分屋で勝負に甘かったコロンビア代表のキャラクターを大きく変えた。才能豊かなタレントたちが規律を守り、切り替えの早いサッカーを見せているのは、この監督のお陰だ。そのことを知るファンたちは毎試合、監督の名を大合唱している。
 
 一方、敗れたウルグアイ人にとっては屈辱の夜となった。2点差がついてから、コロンビア人と地元ブラジル人の黄色に染まったマラカナンは、「エ、リーミナード」、つまり「敗退した」の大合唱に包まれた。怒ったウルグアイ人がブラジル人、コロンビア人に食ってかかる。後味の悪い試合となったが、これがワールドカップだ。南米人たちは、それくらい勝負に懸けているのだ。
 
 ブラジル人たちは、ウルグアイにトロフィーをさらわれた1950年大会の「マラカナンの悲劇」の再現を恐れていた。ウルグアイが敗退したことで、開催国の人々は胸を撫で下ろした。とはいえ、ペケルマンのコロンビアはかなり強い。いまのブラジルに勝てる保証はどこにもない。
 
取材・文:熊崎敬
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