「サッカーは生き物」代表引退の長谷部誠が描く日本代表の進むべき道【ロシアW杯】

2018年07月04日 サッカーダイジェスト編集部

「自分の中では確信できていない部分がある」

ベルギー戦後、自身のインスタグラムで代表引退を表明した長谷部。これまでの日々を振り返り、「本当に感謝しかない」と語った。写真:JMPA代表撮影(滝川敏之)

 ラウンド16でベルギーに敗れた翌日、キャプテンの長谷部誠が自身のインスタグラムで代表からの引退を発表した。
 
「日本代表にひとつの区切りをつけさせていただきたい」
 
 今回のワールドカップの前には、大会後に代表から身を引くことを決意していた。理由については、「ひとつの要素で決めたわけではなく、本当に様々な要素があった」という。強い覚悟を持って決断していた長谷部は、チームの勝利のために全力を尽くした。その結果、「本当に、やり切った」と胸を張る。
 
「これだけ長い間、サポートしてくださった方々には、しっかりと感謝を伝えたかった。今、振り返っても、多くの素晴らしい仲間やサポーターに支えられた素晴らしい時間だったと思います」
 
 日本代表としては、2010年の南アフリカ大会、14年のブラジル大会、そして今回のロシア大会と、3大会連続でワールドカップを戦ってきた。4年に一度の大舞台での真剣勝負を通じて、「様々な戦いをしてきましたけど、一歩一歩、進んでいるなという感覚があります」と、日本サッカーの成長について語る。
 
 では、その日本サッカーが今後、進むべき道について、長谷部はどう考えているのか。
 
「日本が目指すべきサッカーっていうのは、自分の中では確信できていない部分がある」
 
 これだけ長い間、第一線で活躍してきた長谷部でも明確な答を見つけられていないのは、「やはり世界のサッカーもどんどん変わっていくし、そういうものにどんどん対応していかなければいけない」と思っているからだ。
 
「今、自分が持っている感覚と、5年後、10年後に持っている感覚は、また違ってきていると思う。難しいですね」
 
 とはいえ、まったく考えがないわけではない。長谷部なりのビジョンがある。
 
「もちろん、日本人らしさとか、そういうものはあると思う。ただ相手も変わっていくし、だからサッカーって生き物だな、と。そういう柔軟性も持ち合わせなければいけない」
 
 ひとつのスタイルに固執するのではなく、時代の流れや目の前の状況に応じて、フレキシブルに戦う。それが、長谷部が思い描く日本代表の未来像なのかもしれない。

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