エムバペは“怪物”ロナウドに比肩? 伊紙の特集で「キリアンは最強の選手になれる」との声も

2018年07月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

デシャン監督は「アタッカーとしてはロナウドが上」

ロナウド(右)と比較されるエムバペ(左)。ふたりの最大の共通点は圧巻のスピードだ。(C)Getty Images

 リオネル・メッシにとってワールドカップでのラストゲームになるかもしれない一戦で2ゴールを挙げ、フランスを勝利に導く圧巻のパフォーマンスを披露したのだから、キリアン・エムバペの評価が高まるのは当然だ。

 イタリア紙『Gazzetta dello Sport』は7月2日付の紙面で、エムバペと元ブラジル代表の"怪物"ロナウドの比較について報じている。

 純粋なセンターフォワードだったロナウドに対し、エムバペはサイドアタッカーもこなす。だが、その爆発的なスピードや瞬発力、高度な技術や決定力など、類似点は多い。

 ロナウドをよく知るインテルのマッシモ・モラッティ元会長は、「エムバペのことはよく知っているわけではない」と前置きしたうえで、「インテルに入団した当初のロナウドは、イタリアに来た中で最強の選手だった。時代が異なることもあるし、比較は不可能だ」と述べた。

 だが、フランス代表のディディエ・デシャン監督は、「エムバペはロナウドほどアタッカーではないが、代わりにもっと速い」とコメント。また、元イングランド代表のガリー・リネカーは自身のツイッターで、「エムバペがとてつもない走りを見せた。ブラジルのロナウドを思い出す」とつぶやいている。

 出場した初めてのワールドカップでの数字を比較しても、1998年大会での最初の4試合で、21歳だったロナウドは3得点・1アシストを記録。120分に1ゴールというペースで、枠内シュートを5本放ち、相手のペナルティーエリア内で18回ボールに触れた(※ロナウドは1994年大会にも参加したが出場機会はなかった)。
 
 一方、19歳のエムバペは同じく4試合で3得点をマーク。ただ89分に1得点と、そのペースはロナウド以上だ。枠内シュートは同じ5本。相手のペナルティーエリアでのボールタッチは15回と、ロナウドに似た数字を残している。

 イタリアの名将アリーゴ・サッキが率いたミランでトレーナーを務め、2016年にU-19欧州選手権でイタリア代表を率い、エムバペ擁するフランスU-19代表に敗れた経験を持つヴィンチェンツォ・ピンコリーニは、「キリアンは最強の選手になれる」と賛辞を寄せた。

「ロナウドのほうがよりテクニカルだったが、彼(エムバペ)はよりパワフルだ。2016年の対戦時に、私はこれまで見たことがない選手だと思った」

 ただ、ピンコリーニはエムバペとの比較にふさわしい過去の名選手に元オランダ代表で、ミランなどで活躍したルート・フリットの名前を挙げている。

 一方、モラッティ政権のインテルでロナウドを指導した経験を持つルイジ・シモーニは、「彼らは似たアタッカーで、主な特徴はスピードだ。ダッシュや方向転換も似ている」とコメント。世界的なスターになれるかとの質問には「イエスだと思う」と答えた。

「エムバペには年齢というアドバンテージがある。彼は成長できる」

 フランスに生まれた新たなヒーローは、どこまで飛躍できるのか。まずは今大会でのさらなる活躍に注目だ。
 
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