「選手を説得しなければいけなかった…」ロシア指揮官が明かすスペイン撃破の舞台裏【ロシアW杯】

2018年07月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

「これがサッカーだ」ロシア監督が語ったアウトサイダーとしての自負

試合後の会見では上機嫌だったチェルチェソフ監督。ロシアの躍進を支える指揮官は、スペイン撃破のワケを雄弁に語った。 (C) Getty Images

 開幕前に史上最弱の開催国と揶揄されていたロシアが、躍進を続けている。

 7月1日のロシア・ワールドカップ決勝トーナメント1回戦では、前々回王者スペインをPK戦の末に下し、ソビエト連邦時代の1970年以来48年ぶりとなるベスト8進出を果たした。

 12分、ロシアはセルゲイ・イグナシェビッチのオウンゴールで先制を許した。ちなみに、データサイト『Opta』によれば、38歳352日でのオウンゴールはW杯の最年長記録という。

 早々にビハインドを背負ったロシアだったが、41分にジェラール・ピケのハンドで得たPKをアルテム・ジューバが決めて同点に追いつくと、その後は徹底的に守備を固めてスペインをシャットアウト。1137本ものパスを通した無敵艦隊に最後までゴールを許さず、最後はPK戦を制した。

 ひたすら守り続ける戦い方は、身心ともに選手の負担となりかねない。だが、英紙『Guardian』によると、ロシアのスタニスラフ・チェルチェソフ監督は、「それしかないと(選手たちを)説得しなければいけなかった」と明かしている。

「我々もこういう形は好きじゃない。だが、3バックでこうしなければいけなかったんだ。ありがたいことに、選手たちは私が伝えたことを理解してくれた。彼らは私を信じてくれたんだ」
 

 チェルチェソフ監督は、「これまでにないくらい、選手一人ひとりと話した」と振り返っている。

「どうして、どこで、何をしなければいけないかを説明しなければならなかった。ご覧のとおり、それがうまくいったんだ。私の戦略をしっかり実行してくれたからこそ、選手たちは勝ってくれたのだと信じている」

 今大会はすでに王者ドイツやアルゼンチン、ポルトガルといった強豪国が敗退している。すでに次の試合を考えているというチェルチェソフ監督は「これほど多くの優勝候補が敗退したのは初めてじゃないか」と、アウトサイダーとしての自負を伺わせた。

「これがサッカーだ。そうとしか言えないだろう?」

 なお、ロシアは7月7日の準々決勝で、同じくPK戦を制して勝ち上がったクロアチアと対戦する。
 
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