「ロペテギ解任で全てが終わった」「無秩序」 “無敵艦隊”スペインの早すぎる敗退に母国紙が嘆き!【ロシアW杯】

2018年07月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

「無秩序」なままだったスペイン代表。

最後までロシアの手堅い守備を打ち崩す術を見出せなかったスペイン。緻密さを欠いたその戦いを見るに、敗戦は当然の結果だと言えた。 (C) Getty Images

【7月1日・ルジニキ|決勝トーナメント1回戦 スペイン 1(3PK4)1 ロシア】

 決勝トーナメントが始まり、初日でアルゼンチン、ポルトガルが姿を消したが、2日目には、やはり優勝候補に挙げられていたスペインも開催国ロシアの前に散った。

 戦前の予想では有利と見られていたスペインは、12分にFKからセルヒオ・ラモスともつれた相手DFセルゲイ・イグナシェビッチのオウンゴールによって先制に成功。41分にジェラール・ピケがハンドを犯してPKを献上し、それをアルテム・ジューバに決められたが、試合は「ラ・ロハ(スペイン代表の愛称)」がワンサイドゲームで主導権を握り続けた。

 しかし、スペインはロシアの重厚な守壁を破れず、ついには120分を戦い終え、PK戦で決着はつけることに。ここでスペインはコケとイアゴ・アスパスの2人が失敗し、準々決勝への道を閉ざされたのだった。

 思えば、今大会は波乱のスタートだった。指揮官ジュレン・ロテペギが、新シーズンのレアル・マドリー監督就任を発表したことで開幕2日前に解任され、急遽、スポーツディレクターを務めていたフェルナンド・イエロが就任した。

 そうした騒動もあったなかでのあっけない敗退に、スペイン紙『Marca』は「涙の別れだが、当然のことでもある」と断じた。

「このワールドカップは、ロペテギの解任以来、全てが狂い、すでに終わっていた。スペインはあらゆる可能性を見出そうとしたが、無秩序なままだった。

 この試合も、1000本以上のパスを回しながら、(大会前は)史上最悪(の開催国)といわれたロシアに敗れたのだからダメージはより大きい。我々の"無敵艦隊"は多くの時間を支配して攻撃の糸口を見出そうとしたが、ポゼッションはただ持たされているだけの地獄。パスの嵐の中で努力をしていたのは、イスコだけだった」

 マッチサマリー内でロシア戦におけるスペインを酷評した『Marca』は、最後に今大会を辛辣な言葉でまとめている。

「大会初日から、堅実さもなく、恐さもなく、チームを救う聖人もいないスペインだった。それらは、W杯を獲るために必要なものであり、あまりに多くの代償を支払うこととなった」

 崩壊したまま、夢舞台から姿を消したスペイン。無秩序なチームに成り下がった無敵艦隊は、再浮上するために必要なものを取り戻すことができるのだろうか。
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