「ああ神よ!」「希望が生まれた」 崖っぷちからクロース弾で生き残ったドイツに母国紙が狂喜乱舞

2018年06月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

同点で数的不利という窮地に追い込まれたドイツを救った司令塔。

土壇場で逆転に成功して生き残ったドイツ。クロースの一撃は、文字通りの劇的な一発だった。 (C) Getty Images

【6月22日・ソチ|グループF スウェーデン 1-2 ドイツ】

 ディフェンディング・チャンピオンは絶体絶命の窮地に追い込まれていた。

 初戦のメキシコ戦でまさかの敗戦を喫したドイツは、この試合に全てを懸けて臨んだが、32分に速攻からスウェーデンのオラ・トイボネンに先制ゴールを許す。48分にマルコ・ロイスのゴールで同点とするも、82分にはジェローム・ボアテングがこの試合2度目の警告を受けて退場となり、数的不利を強いられた。

 その後も鬼気迫る勢いで猛攻を仕掛けたドイツは、88分にマリオ・ゴメスが、92分にはユリアン・ブラントが、それぞれ渾身のシュートを放ったが、いずれもゴールネットを揺らせず……。

 しかし、誰もが勝利を諦めかけた95分、その時が訪れた。

 ドイツは相手ペナルティーエリア左外でFKを獲得。このラストチャンスでキッカーを務めた司令塔のトニ・クロースが、右足で狙いすましたカーブシュート! この鮮やかな軌道を描いたボールが、逆サイドネットに突き刺さった。

 負ければグループリーグ敗退、引き分けでも自力突破の可能性が消えるという窮地において、世界王者ドイツは、まさしく起死回生の一撃で勝点3を掴んだ。
 
 このドラマチックな展開に、ドイツ・メディアは狂喜乱舞。かなり興奮気味に勝利の一報を伝えている。ドイツ全国紙『Bild』は、「クロースが我々のワールドカップを救ってくれた!」と大々的な見出しを打ったマッチサマリー内で、抑えきれない想いを書き記した。

「ああ神よ! 本当にやってくれた! 我々のワールドカップの希望は生き続けた。ありがとう、クロース。正直に言って、まだ何が起きたのか整理できていない。

 エジルを先発から外すという、レーブにとっての革命を起こして臨んだ一戦は、幾度もチャンスを作りながら結果にならず、ボアテングが退場となるなど、大いに苦しんだが、とにかくロイスとクロースが希望を与えてくれた。地獄の扉の前から我々は望みを繋いだのだ」

 またドイツのサッカー専門誌『Kicker』も、同様に感動を隠すことなく、母国の英雄たちを手放しで称賛した。

「最後の最後でクロースだ。彼が、我々を王者への道に戻した。世界王者にとって、簡単な試合ではなかった。先制点を奪われ、同点とした後もボアテングが退場となるなど、ドイツは劣勢に立たされた。遅すぎるぐらいにやって来たクロースのFKは、単なるシュートではなく、本当に決定的な一発だった」

 世界王者の意地を見せつけ、敗退の危機を免れたドイツは、スウェーデンと同勝点・同得失点差ながら、直接対決の結果により2位に浮上。死地から生還した者の勢いと強さを、勝ち抜けのためには勝利が必要となる最終戦の韓国戦(現地27日)で見せられるかに注目だ。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事