「ありがとう、でも寝させてくれ!」夜通し騒ぐファンにメキシコ代表の重鎮が異例の直談判!【ロシアW杯】

2018年06月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

数千人のサポーターが歌え踊れの大騒ぎ

サポーターの前に立ち、理解を求めるマルケス。最後は大盛り上がりで大団円に……。W杯ならではのハプニングだろう。(C)Getty Images

 メキシコ・サポーターの熱狂ぶりは世界有数だ。地球の裏側でワールドカップが開催されようとも、数万人のサポーターが大挙して押しかける。すべてはエル・トリ(トリコロールの意。代表チームの愛称)の栄光のために。2002年日韓大会の際も首都圏のそこかしこの駅がメキシコ人サポーターに占拠されたものだ。
 
 土曜日、メキシコ代表は韓国とのグループリーグ第2戦を戦う。会場となるロストフには2万人のサポーターがすでにスタンバイしており、金曜日の夜も太鼓やトランペットを鳴らして大騒ぎ。チームが宿泊するホテル周辺でも数千人が陣取り、思い思いにチャントを歌い、選手たちを鼓舞していた。しかしさすがに度が過ぎて……。異例の事態に発展した。

 
 先頭に立ったのは今大会が5度目の出場となる"生ける伝説"、ラファエル・マルケスだ。他の仲間たちを連れ立ってホテルを飛び出し、サポーター集団の前に姿を現わした。そして優しくこう語りかけたのである。
 
「みんなありがとう。その熱い声援は俺たちを奮い立たせてくれるし、明日も試合でもホームのような雰囲気を作ってくれると確信しているよ。でも、もう夜も遅い。俺たちを寝させてくれないか。明日の試合(韓国戦)がどれだけ大事かはみんなも分かっているはずだ」
 
 突然のレジェンドの登場にファンは大興奮! 「最高だ、ラファエル!」と大歓声が起こり、今度はマルケスのチャントを大合唱。これに呼応したのがチームメイトたちで、サポーターと一緒に掛け声を繰り返した。最後は誰もが笑顔で問題解決。その後はピタリと騒音は止み、ファンはそそくさと宿泊先に戻っていったという。
 
 深夜に興奮するファンを、選手みずからなだめるなど滅多にない出来事だろう。それだけ、エル・トリとサポーターの間の信頼関係は厚く、深いのだ。はたして代表チームは十分な睡眠を取り、韓国戦に万全のコンディションで臨めるのか。いずれにせよ、大音量のサポーティングだけは保証されている。

次ページ【動画】“生ける伝説”マルケスが騒ぐサポーターに懸命の説得! 最後は大爆笑のなかで…

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事