サブ組に“王様”はいらない。コロンビア戦で問われる西野ジャパンの団結力【ロシアW杯】

2018年06月19日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

オーストラリア戦のようになっては困る

パラグアイ戦では控え組が大いにチームを盛り上げた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真)

 個人技では到底太刀打ちできそうにない。そんなコロンビアから首尾よく勝点を奪うには、"チームとしてどうまとまるか"が大きなポイントになる。いや、コロンビア戦に限らず、ロシア・ワールドカップで日本が成功を収めるにはそれが最大の鍵だ。
 
 具体的には、サブ組の役割が極めて重要。コロンビア戦の前日まではポジション毎の序列やスタメンが誰かなどが焦点になるが、初戦当日からは「レギュラー、交代要員、それ以外のサブ組」と大きく分けて3つのグループに分かれていくはずだ。
 
 そこで、サブ組が腐らず、チームのために働けるか。そもそも代表チームというのは"王様"の集まりのようなものである。クラブシーンでは滅多にベンチに座らない選手たちがひとつのチームになって戦うわけだから、そう簡単にまとまらないケースもある。
 
 長谷部誠が「一人ひとりサッカー観も異なるので」と言うように、個と個がぶつかるのはある意味当然だ。そういう衝突がもちろんあってもいいが、ただ、いつまでもそれが続くようでは危険。大会が始まれば、必然的にレギュラー組、サブ組と分かれていく。そうした状況下で、サブ組が黒子役に徹することができるかが大事なのである。
 
 
 2002年の日韓ワールドカップを思い出してほしい。98年大会を経験したベテランの中山雅史と秋田豊が縁の下の力持ちとしてチームを支えたからこそ、ベスト16進出という快挙を成し遂げられたと、そんな見方もできるだろう。いずれにしても、当時の日本代表は「レギュラー、交代要員、その他のサブ組」がひとつになって組織として機能していた印象が強い。
 
 17年8月のワールドカップ・アジア最終予選、オーストラリアを2-0で下して本大会出場権を獲得した試合で、当時の代表監督ヴァイッド・ハリルホジッチ曰く「(この日出場しなかった)2人の選手が少しがっかりしていた」。そういう状況では困るのだ。
 
 サブ組がやる気を失うのか、スタメン組とともに一致団結するのか。コロンビア戦で西野ジャパンの"本当の姿"が見えてくるはずだ。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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