「なんて馬鹿げたパスだ!」デ・ブルイネの“鬼クロス”をメディアもファンも大絶賛!

2018年06月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

「まさに創造主が輝きを放った瞬間だ」

W杯初戦でいきなり妙技を披露したデ・ブルイネ。ベルギー代表の世界初制覇は、この司令塔の出来いかんに懸かっている。(C)Getty Images

 まさにエンターテナーの面目躍如だろう。ともすれば退屈だったゲーム展開に、衝撃的な娯楽を運んだのだ。ベルギー代表MF、ケビン・デ・ブルイネである。
 
 月曜日に行なわれたロシア・ワールドカップのグループG第1節、パナマ戦だ。格下相手にゴールラッシュも期待されたレッド・デビルズ(赤い悪魔。ベルギー代表の愛称)だったが、前半は出足の鋭い敵のディフェンスに手を焼き、逆に強烈なカウンターをお見舞いされるなど、アタフタする場面が続いた。ベルギーのスポーツ専門チャンネル『Sporza』は「見るべき点がほぼない45分間」と表現。0-0でハーフタイムを迎えた。
 
 しかし後半は、優勝候補が地力の差を見せつけた。47分にドリース・メルテンスの鮮やかなドライブショットで先制点を挙げると、パナマがにわかに反攻ムードを高める。しかしベルギーがこれを見事に封殺し、パナマは徐々に運動量が落ちてペースダウン。そして69分、デ・ブルイネが超絶技巧を披露するのだ。
 
 
 ペナルティーエリア手前でボールを受けたマンチェスター・シティMFは、マーカーを軽く交わして縦に持ち出すと、右足のアウトサイドで素早くクロス! 美しい弧を描いたボールはロメル・ルカクの頭にドンピシャで到達し、豪快なゴラッソを生み出した。試合はその後ルカクがもう1点を追加し、終わってみればベルギーが3-0の快勝だ。
 
 先述の『Sporza』が速報で称えたのが、デ・ブルイネの"鬼クロス"だ。「創造主が輝きを放った瞬間だった。その閃きと正確なプレーに我々は酔わされたのだ」と評した。そして欧州スポーツTV局『Eurosports』は「ホンモノの魔法使い。ファンがそのアシストに熱狂」と題し、ツイッターに寄せられた声を紹介。「信じられない。なんて馬鹿げたパスなんだ!」「誰も止められない。あんなの反則だろう」「今大会のベストアシストに早くも認定!」「すでに20回は観たよ」と、賛辞のメッセージが止まない。
 
 2017-18シーズンからプレミアリーグで新設された個人アワードが「プレーメーカー・オブ・ザ・シーズン」。いわゆるアシスト王で、その初代受賞者(16アシスト)となったのがデ・ブルイネだ。天性とも言えるイマジネーションを、さっそくワールドカップ初戦で発揮したのである。
 

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