本田圭佑は再び本番で輝けるか? W杯過去3得点の男が語った“理屈じゃない”一発の力

2018年06月18日 西川結城

「僕はたまたまラッキーで、育った環境がプレッシャーの中で生きることが多かった」

4年前の初戦・コートジボワール戦では前々回大会に続き先制点を奪ってみせた。今大会も何かを起こせるか? (C) Getty Images

 先発か、ベンチスタートか――。

 19日にロシア・ワールドカップの初戦・コロンビア戦を迎える日本。過去2大会でゴールを挙げてきた本田圭佑は、2日後に控えた本番を前に落ち着いていた。

 現状では、スターティングメンバーから外れる可能性がある。トップ下の位置には、12日に行なわれたパラグアイ戦で好パフォーマンスを見せた香川真司が入ることが予想される。

 そうした自分の立場を踏まえながら、本田が口を開いた。
「スタメンで出るのかサブになるのか分からないけど、役割は結果にコミットできるかどうかだと思っている。しっかりスペースを探して、ボールを受けて、攻撃の起点になりながらどうゴール前に侵入していくか。その数と質、それは高めないといけない」

 コロンビアに対しては、攻撃陣もより献身的かつプレー強度の高い守備が求められる。その点では、現時点では本田よりも香川に軍配が挙がる。

 ただ、サッカーの勝負は、理屈や戦術だけで決まるものではない。4年前のブラジル・ワールドカップ初戦。相手のコートジボワールは後半途中でディディエ・ドログバを投入し、満を持して登場したエースの存在で勢いを取り戻し、日本を飲み込んだ。

 経験と、存在感――。今の本田に求められるものとは、まさにあのドログバのような役回りかもしれない。
 
「ぶっつけ本番に強い人、弱い人っていると思うんです。これまでのバックグラウンドや環境で、そういう能力は必然と身につく。僕はたまたまラッキーで、育った環境がプレッシャーの中で生きることが多かった。今回も、理詰めだけではないんじゃないかと思う。結果を出せる、しっかり出しに行く。自分ならできると、自問自答していきたい」

 ブラジル・ワールドカップの惨敗から少し経った頃。本田がこんな話をしてきたことがあった。

「(ブラジル・ワールドカップ2戦目の)ギリシャ戦で、相手に退場者が出て俺らが数的優位になった。あれだけ攻め込んだにもかかわらず、俺を含め日本人は一発を決め切れなかった。ここは、理屈じゃないところでもある。だからここからは、その一発を決められる自分になれるかが大事になってくる」
 

次ページ4年前の絶対的な存在ではないことは、本人が一番理解している

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