メキシコの若き“65億円男”が衝撃弾! 急躍進の舞台裏であの伝説的FWの教えが…

2018年06月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

ドイツの要キンミッヒを見事に押し込んで

ドイツ撃破のセンセーション弾を蹴り込んだロサーノ。一夜にして世界的な知名度を得るに至った。(C)Getty Images

 大国ドイツを奈落の底に突き落としたのが、メキシコ代表の若き至宝、イルビング・ロサーノだ。
 
 6月17日のグループリーグ初戦、4-3-3システムの左サイドで先発出場を飾った22歳は、キックオフ直後からエンジン全開。怒涛のカウンターから持ち前のスピードと局面打開力を駆使し、ドイツの右サイドを混乱に陥れた。そして迎えた35分、均衡を破る。一気の速攻からハビエル・エルナンデスのパスを受けると、メスト・エジルのマークを外し、豪快に右足で名手マヌエル・ノイアーのニアサイドを破った。値千金の決勝点を挙げたのだ。
 
 試合直後、ファン・カルロス・オソリオ監督はこの新エースを激賞した。ゴールを挙げた以上に、フォア・ザ・チームに徹しながら重要な役割を果たした点を称えたのだ。
 
「イルビングは最高の出来だった。ああした形でゴールを奪うのは彼の十八番だが、今日の彼には(ドイツの右SBである)ヨシュア・キミッヒに仕事をさせないように、つねにプレッシャーを掛けるように指示していたんだ。そのタスクを見事にこなし、勝利に貢献してくれたよ」

 
 ロサーノ本人も、ワールドカップ・デビュー戦での出来を自画自賛だ。
 
「思い切ってプレーできたし、個人的にはよく動けていたと思う。ゴールも決められて最高だったね。僕たちは苦しい練習を積んできたし、この日のためにチームみんなで努力してきた。素晴らしい選手が揃っているから、なにか大きなことができると確信しているよ。ドイツに勝てたのは嬉しいけど、まだ先は長いのでね」
 
 メキシコの名門パチューカの生え抜きだ。将来を嘱望される逸材と期待され、メキシコの年代別代表にも常時名を連ねてきた。十代でトップチームの主軸を張って活躍。そして2017年1月、オランダのPSVアイントホーフェンに800万ユーロ(約10億4000万円)の移籍金で引き抜かれた。欧州挑戦1年目から奮迅のパフォーマンスを披露し、2017-18シーズンには17得点・11アシストをマークしてリーグ優勝に大きく貢献。目下飛ぶ鳥を落とす勢いで、声価を高めているのだ。
 

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