「お前は絶対出れないと言われたこともあった…」アイスランドの大黒柱が苦難の日々を語る

2018年06月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

アルゼンチンとの大会初戦に高揚! 「夢のようだ」

小国アイスランドの唯一無二のスターにして、シンボルでもあるシグルドソン。今年3月に膝を痛めてシーズンを棒に振ったが、何とか本大会出場ができるまでにリカバリーしてきた。 (C) Getty Images

 ロシア・ワールドカップは大会3日目、いよいよリオネル・メッシを擁するアルゼンチンが登場する。迎え撃つのはアイスランドだ。

 人口35万人の小国がW杯に出場するのは初めてのことだ。英紙『Telegraph』の取材に応じた、絶対的司令塔のギルフィ・シグルドソンは、「思い出すよ。みんなに『お前が主要大会に出ることはない』と言われていたことをね」と振り返った。

「僕はとても頑固だから、みんなに『アイスランドなんだからW杯に出ることなんて絶対ない』と言われた時も、『出てみせる』といつも信じていたんだ。どうやって予選を突破するか、どれだけ大変かなんて考えなかった。できないと思う人たちを喜ばせるだけだからだ。やれると示せたのは素晴らしいことだよ。小さな国だから、なおさらだ」

 最初に夢が叶ったのは2年前にフランスで開催されたEURO2016だ。ラウンド・オブ16でイングランドを撃破し、ベスト8進出の快挙を成し遂げた。だが、その成功と同時に期待値が高まり、アイスランドの選手たちは今までにないプレッシャーに直面した。シグルドソンは、「期待が大きかった」と振り返る。

「多くの人が『彼らはW杯にも出るだろう』と思うようになった。でも、僕らは予選で最もタフなグループの一つだったんだよ。だから、首位通過は大きな意味を持っていた」
 
 キャリア初の檜舞台に挑むシグルドソンは、「W杯はより大きな舞台だ。近づくにつれて、EUROの時の気持ちをまた味わい、そしてまたやってのけてやろうと思った」と意気込む。

「僕らにとってW杯で初めての相手がアルゼンチン。子供のころに夢に見たようなことだ」

 今では、アイスランドを軽視するチームなどないだろう。シグルドソンも、「どのチームも5年、10年前とはアイスランドへの見方がまったく違う。この数年で全てが変わった。僕らがどのチームでも倒せる良いチームで、簡単に倒せないことをね」と実感している。

 そのうえで、シグルドソンは、「僕らがEUROやW杯に出場できたのはファンタスティックだ。それ以外のことは、ボーナスみたいなものだよ。EUROの時と同じように、W杯でも同じアプローチで臨みたい」と、謙虚な姿勢を失っていないことを強調している。

「おそらく、ほかのチームは僕らよりも突破に有利とみられている。アルゼンチンは優勝候補だし、クロアチアには優れた選手がたくさんいる。ナイジェリアも良いチームだ。もしもグループリーグを突破できたら、W杯出場以上の快挙になる」

 アイスランドは2年前に欧州の舞台でやってのけたミラクルを再現するのか。まずは、メッシ擁するアルゼンチンとの初戦が注目される。

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