【W杯展望】 モロッコ×イラン|アフリカ最強国とアジア最強国が激突!

2018年06月15日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「2強」への挑戦権を勝ち取るのはどっちだ!?

故障者/モロッコ=なし イラン=なし
出場停止/モロッコ=なし イラン=エザトラヒ(MF)

ロシア・ワールドカップ グループB・第1戦
モロッコ-イラン
6月15日(金)18:00(日本時間24:00)キックオフ/サンクトペテルブルク(サンクトペテルブルク)


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 2010年大会の優勝国スペインと現ヨーロッパ王者のポルトガルの勝ち抜けが濃厚と見られるグループB。「2強2弱」というのが一般的な見方だが、「2弱」と蔑まされるモロッコとイランも決して弱いチームではない。

 これが5大会ぶりの出場となるモロッコは、攻守のバランスが取れた好チームだ。

 中盤から前には、ユーネス・ベルハンダ、ハキム・ジイェフ、ムバラク・ブスファらマグレブ(北西アフリカ諸国)らしいテクニシャンがずらりと並ぶ。しかも、フランス人のエルベ・ルナール監督が規律を植え付けたチームは統制が取れ、以前のように各々が感性に従って好き勝手に仕掛けるような場面が激減。欧州のクラブで揉まれた技巧派たちが織り成すパスサッカーは、魅力に富む。

 もっとも、現在のモロッコ代表の一番の強みは守備にある。名門ユベントスでレギュラーを張るCBメディ・ベナティアと、激しさとインテリジェンスを兼備したアンカーのエル・アーマディを軸とする守備ブロックは強固。アフリカ最終予選の6試合を無失点で乗り切った堅牢を攻略するのは容易ではない。

 エジプトのモハメド・サラーやセネガルのサディオ・マネのようなワールドクラスの絶対的エースはいない。だが、戦力バランス、攻守の組織的完成度という観点に立てば、この国が今大会に出場するアフリカ5か国の中で最強と言っていいだろう。
 
 対するイランは、なんといっても攻撃陣に注目だ。

 アジア予選で11ゴールを挙げた若き主砲サルダル・アズモンに、2017-2018シーズンのエールディビジ(オランダ1部リーグ)で得点王に輝いたアリレザ・ジャハンバフシュ、同じくギリシャ・リーグでゴールを量産したカリム・アンサリファルドと、前線には欧州のクラブで活躍する有能なタレントが揃う。アタッカー陣の充実度は間違いなくアジア・ナンバー1だ。中盤の底から多彩なパスを繰り出し、豪華攻撃陣を操る重鎮マスード・ショジャエイの存在も心強い。

 アジア随一のGK、アリレザ・ベイランバンドが最後尾で睨みを利かせる守備陣もまずまず安定。大会直前の監督交代で不安だらけの日本、あるいは怪我人続出の韓国と比較してもチームの充実度は上回る。

 この一戦の後には強国との連戦が控えているだけに、両国にとっては是が非でも勝点3が欲しい試合だ。2強への挑戦権を勝ち取るのは、はたしてどちらの国か。
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