【藤田俊哉の目】乾、岡崎、香川、武藤ら前線の活発さは好材料! 現状でスタメンを選ぶなら…

2018年06月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

誰がコロンビア戦のピッチに立ってもおかしくない状態に

パラグアイ戦で先制ゴールを決めた乾がベンチの控えメンバーに祝福される。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 ワールドカップまでの最後のテストマッチとなった6月12日のパラグアイ戦で、日本は後半に4ゴールを奪って4対2の逆転勝利を飾った。


 ワールドカップ対策のスパーリングパートナーとしては、この日のパラグアイはあまりにも力不足だった。ワールドカップに向けた"強化試合"というより、むしろ"調整試合"と捉えたほうがいい。

 この結果を受けて、初戦のコロンビアから勝点を奪える保証はまったくないが、しかし、対戦相手の強度に目をつぶったとしても、いかなる試合においてもなかなか4ゴールを奪えるものではない。日本のパフォーマンス自体も決して悪くなかった。間違いなく言えるのは、現体制での初勝利を手にしたことで、チームとして一歩前進した。停滞していたチームの風向きが変わる1勝になる。

 欲を言えば、パラグアイの攻撃を無失点に抑えたかった。自分たちのミスで失点したガーナ戦やスイス戦とは違って、シュートした選手を褒めなければならない。GKとしては2失点とも味方ディフェンダーが影になり反応がワンテンポ遅れてしまったのだろう。それでも日本代表は無失点ゲームを目指していたはずだから、その点においては、本番への修正点としたい。
 
 しかし、チームとしての戦い方に目を向ければ、とくに攻守の連動性という点で、これまでのテストマッチのそれとは違っていた。ひと言で言えば、相手よりも走り、相手よりもアグレッシブに戦っていた。攻撃では数的有利を作って"仕掛け"が多く、守備でもコンパクトフィールドを保ち、網をかけてボールを奪うシーンが多かった。チームとしての活動量がパラグアイよりも上だった証拠だろう。

 選手のパフォーマンスに目を向ければ、2ゴールを挙げた乾をはじめ、岡崎、香川、武藤ら、前線の動きが活発だった。パスコースも多く、柴崎の縦パスも生きていた。この日のスタメンの活躍度を見れば、誰がコロンビア戦のピッチに立ってもおかしくない状態になったと言える。敵を欺くにはまずは味方から、という諺があるように、おそらく、この試合をスカウティングしていたコロンビア代表スタッフに的を絞らせない試合になった。
 

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