「ノーとは言えなかった…」とスペイン新監督、イニエスタら選手はロペテギの続投を望んでいた

2018年06月14日 山本美智子

前監督は去り際に「勝ってほしい」と周囲に漏らし…。

イニエスタら選手はチームのことを考え、ロペテギの続投を望んだというが……。(C)Getty Images

 現地時間6月13日、スペイン代表監督に突如就任することが決まったフェルナンド・イエロの、最初の記者会見が行なわれた。

 スペイン・サッカー連盟が同日にジュレン・ロペテギを解任した後、ワールドカップの初戦まで48時間と迫った中で新監督に就任したことに、イエロは「ノーとは言えなかった…」と、難しい状況での決断だったことを示した。

「ただ目的は同じだ。ワールドカップで偉大な役割を果たすこと。それが(すべての)焦点でなければならない」と語り、「私の責任は、ポルトガル戦に勝利すること。1試合ずつ進むし、いまはワールドカップ以外のことは考えていない」と、大会後も代表監督を続けるかどうかについての明言は避けた。
 
 ジュレン・ロペテギがレアル・マドリーの次期監督に就任するという"爆弾"が投下された約24時間後、スペイン・サッカー連盟はロペテギの解任を決定した。

 3人のキャプテン、セルヒオ・ラモス、アンドレス・イニエスタ、ダビド・シルバに加え、代表チームの重鎮であるジェラール・ピケ、セルヒオ・ブスケッツ、ホセ・マヌエル・レイナが、スペイン・サッカー連盟のルイス・ルビアレス会長と話し合った。

 選手たちは、チームのためにロペテギの続投を望んだというが、ルビアレス会長は、「決定はすでに下されている」として、首を縦に振らなかった。同会長は、「契約解除金については、弁護士に任せておけばいい。今回の一件にはお金の上をいく問題がある」と、レアル・マドリーに対して強い憤りを示したという。

 ルビアレス会長には、マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長が直接電話したと言われているが、ロペテギがマドリーの次期監督になるという事実をルビアレスが知ったのは、マドリーが公式サイトを通して発表する5分前だった。

 ジュレン・ロペテギ監督自身は、最後まで続投を望んでいた。だが、それは叶わなかった。「とても悲しいが、チームには勝ってほしいと思っている」。そう周囲に漏らしながら、彼は代表チームから去っていった。
 

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