パラグアイ戦での異変。“長谷部外し”を予感させる事象とは?

2018年06月13日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

8年前に譲り受けた長谷部が今度は譲る側に?

スイス戦後に「チャンスがない選手が見せれば化学反応が起こるかもしれない」と話した長谷部。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 あくまで推測である。「おや?」と思ったのは、パラグアイ戦でのキャプテンが山口蛍と知った時だ。この抜擢の理由を、西野朗監督は試合後にこう述べていた。
 
「山口のキャプテンは、私がミーティングで指名しました。その時の選手のリアクションで言えば、乾と昌子、岡崎、本田圭佑あたりが『ん?』という顔をした瞬間はありましたけど。ただ、彼は間違いなくそういうポジション、立場、役割をチームの中で果たさなければいけない選手だと思っています。リーダー性は十分に備えていると思うので」
 
 パラグアイ戦、キャプテンマークを巻いた山口はピッチで躍動。精彩を欠いたガーナ戦とは打って変わり、ボールハンターとして機能していた。ゴールに直接絡まなかったものの、ボランチでコンビを組んだ柴崎岳と中盤を支えて勝利に貢献し、チームに笑顔をもたらした。
 
 スイス戦に敗れた直後、キャプテンの長谷部誠は危機感を露わにしていた。
 
「残り本大会まで1試合なので、そこの試合を大事にしなくちゃいけないですし、考えた方としてそこまでチャンスがない選手が見せれば、化学反応が起こるかもしれない」
 
 もしかすると、その化学反応のひとつがキャプテン交代という劇薬になるかもしれない。8年前、南アフリカ・ワールドカップ開幕前の2010年5月30のイングランド戦で、中澤佑二に代わりキャプテンを任されたのが長谷部だった。譲り受けたキャプテンマークを、今度は譲る側に回るかもしれない。
 
 パラグアイ戦の勝利でコロンビアのスタメンさえ分からなくなった西野ジャパン。何が起きても不思議ではない雰囲気が漂っている。腕章は山口に託され、長谷部がベンチスタートになる可能性も否定できない。
 
 果たして、6月19日、キャプテンマークを巻いてコロンビア戦に臨むのは──。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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