６月12日火曜日、すでにロシア入りして事前キャンプを張っているフランス代表に衝撃が走った。
 
　フランスの全国スポーツ紙『L’equipe』が緊急速報として伝えたのが、若き至宝キリアン・エムバペに関するスマッシングニュースだ。午前のトレーニング中、アディル・ラミから激しいバックチャージを食らい、もんどりうってピッチに倒れ込んだ。傷めたのは左足首。しばらく起き上がれず、手で顔を覆う19歳。何度も首を横に振ってロッカールームへ引き上げるさまに、同紙は公式SNSで「ワールドカップに黄信号か？」との一文を添えたのだ。
 
 　そのまま練習場に戻らなかったエムバペ。彼の元には心配したファンから激励と見舞いのメッセージが殺到した。しかし──。どうやら大事には至らなかったようだ。

 

　数時間後、エムバペはファンに向けて自身の言葉で状況を説明。「僕なら大丈夫だよ。単なる衝突で、大したものじゃなかったんだ。たくさんのメッセージ、本当にありがとう」と綴り、僚友ラミに対しては「追伸、僕の友人ラミのプレーは酷いものではなかったよ」と付け加えた。エムバペを壊したと早とちりした一部の心無いファンから、にわかにラミを批判する声が上がっていたからだ。
 
　一枚岩の"レ・ブルー"を象徴するかのように、仲間への気遣いを忘れなかった韋駄天アタッカー。それにしても、大会を彩るメインキャストのひとりなだけに、フランスのみならず世界中のファンがヒヤリとしたことだろう。土曜日のグループリーグ初戦、オーストラリア戦でのハイパフォーマンスに期待だ。