原口元気の獲得をなぜハノーファーは急ぐのか。地元紙がその“真意”を明かした

2018年06月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

浅野に続く、2人目の日本人アタッカー獲得を狙う

ハノーファーへの移籍が秒読みと伝えられる原口。所属元のヘルタはW杯での価値高騰を目論むが……。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 日本代表MF、原口元気の新天地が決まりそうだ。ブンデスリーガ1部、ハノーファー96への移籍が近づいている。
 
 ハノーファーは過去に清武弘嗣、酒井宏樹、山口蛍が籍を置いた日本に馴染み深いクラブで、先日、浅野拓磨のレンタル加入(アーセナルから)が発表されたばかり。新シーズンに向けて2人目の日本人アタッカーを釣り上げにかかっているのだ。
 
 2017-18シーズンの後半戦、原口は2部フォルトゥナ・デュッセルドルフでプレーし、宇佐美貴史とともに1部昇格に多大な貢献を果たした。フォルトゥナ側は買い取りを希望したが実現には至らず、獲得に名乗りを上げたハノーファーと所属元のヘルタ・ベルリンが折衝を続けてきた。ドイツ専門誌『Kicker』が報じた移籍金は500万ユーロ(約6億5000万円)で、クラブ間合意が目前だという。

 
 早期の決着を目ざしているのがハノーファーで、地元紙『Hannoversche Allgemeine Zeitung』はその理由を以下のように説明している。
 
「ハラグチは現在、日本代表に帯同してロシア・ワールドカップの準備に取り組んでいる。アキラ・ニシノ(西野朗)監督の下では右サイドのレギュラーを任されており、本大会でも重要な役割を担うだろう。金曜日のスイス戦で日本は0-2の敗北を喫したが、ハラグチはフルタイム出場を果たした。やはり指揮官の信頼が厚いのだ。もし日本が大会で躍進を遂げ、他のクラブがこのウインガーの能力を高く評価したなら……。市場価値は高まり、(移籍金は)ハノーファーが支払えない額に達してしまうだろう。すなわち、クラブはワールドカップ開幕前に(ヘルタとの交渉を)まとめたいと考えているのだ」
 
 専門誌『Kicker』によると、ヘルタは当初「ワールドカップ終了後に金額の最終決定をしたい」と返答してきたという。もちろん原口の価値が高まる可能性を見越しての判断だろう。ハノーファーは300万ユーロ(約3億9000万円)でオファーしたが、この回答を受けて500万ユーロに増額し、近日中の交渉成立を狙っているようだ。
 
 はたして開幕までに間に合うのか。その動向が気になるところだ。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事