アルゼンチンの重鎮マスチェラーノの願いは…「彼が大会を通して“ベストバージョン”でいること」

2018年06月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

メッシの出来がアルゼンチン復権の鍵。

メッシがベストの状態を維持できればアルゼンチンに栄冠が舞い込むと、マスチェラーノはそう確信している。(C)Getty Images

 リオネル・メッシがディエゴ・マラドーナを凌駕するのに足りないもの――。それが、代表でのタイトルだと言われている。2014年のブラジル・ワールドカップ(W杯)、2015年のコパ・アメリカ、2016年のコパ・アメリカ100周年記念大会と、3年連続でビッグトーナメントのファイナルに駒を進めながら、メッシとアルゼンチンは悲願のトロフィーを手にすることができなかった。

"4度目の正直"をめざすロシアW杯は、南米予選の段階であわや敗退の危機に瀕するなど苦しんだ。ハビエル・マスチェラーノは、英紙『Guardian』のインタビューで「あと1回負けたら予選敗退が決定するというところまでいった。苦難だったよ」と振り返っている。

 だがアルゼンチンは、南米予選の最終節で本大会出場権を手にした。チームにロシア行きの切符をもたらしたのは、その最終節でハットトリックの大活躍を披露したエースのメッシだ。

 当然、本大会でもメッシの出来がアルゼンチンの鍵となる。マスチェラーノも「今回のW杯でひとつ願うのは、レオが大会を通して"ベストバージョン"でいられることだ」と述べた。

「レオがチームのパフォーマンスを左右するのは明白。チームのみんながレオのスタンダードに見合う活躍ができるように願っている」
 
 メッシのほかにも、アルゼンチンはセルヒオ・アグエロやゴンサロ・イグアイン、パウロ・ディバラなど、名だたるストライカーを擁している。セリエAで得点王になったマウロ・イカルディが落選したほどの層の厚さだ。

 だがマスチェラーノは、「長年にわたり、アルゼンチンの強みは攻撃と言われてきた」と述べつつ、鍵を握るのはディフェンスとの見解を示している。

「僕らのチームの前線に計り知れないタレントたちがいるのは確かだ。でも僕は、最近の代表チームに競争力をもたらしたのは、守備のバランスを見出す能力だったと思う」

 おそらく今回が最後のW杯出場となるであろうマスチェラーノは、「一歩ずつだ。焦ってはいけない。精神的な平穏のために、良いスタートを切るのは非常に重要。ただ、初戦から先のことを見つめていてはいけない」と、着実に歩みを進めると述べた。勝利宣言などは、もってのほかと考えているのだろう。

「それがサッカーだ。勝つ日もあれば、負ける日もある。そしてその差は、本当に紙一重なんだ」

 マスチェラーノやメッシは、母国を32年ぶり3回目のW杯優勝に導くことができるのか。アルゼンチンはグループリーグで、アイスランド、クロアチア、ナイジェリアと対戦する。
 
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