名将ジダンが愛するマドリーのために残した「6つの贈り物」

2018年06月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

「エースのマネジメント」もそのひとつ。

監督就任期間はわずか2年半ながら、ジダンがチームに残したものは多い。(C)Getty Images

 電撃的にレアル・マドリー監督の座を離れたジネディーヌ・ジダンが、チームに多くの財産をもたらしたことに異論を挟む者はいないだろう。

 スペイン紙『Marca』は6月2日、「ジダンの財産」と名付けた記事で、チャンピオンズ・リーグ(CL)3連覇を成し遂げた指揮官が、マドリーに残した6つの"贈り物"を取り上げた。

 まずは、チームの団結力だ。『Marca』紙は、CL決勝を前に主将セルヒオ・ラモスが「このチームにはエゴがない。僕らはひとつのファミリーだ」と話したことを例に挙げ、良い雰囲気をチーム内に作り出したとジダンの功績を称えた。

 次に『Marca』紙が挙げたのは、「勝者のメンタリティー」だ。ジダンが率いた2年半で、マドリーは9つのタイトルを手にし、何よりも前人未到のCL3連覇を成し遂げている。同紙はジダンが植えつけた勝者のメンタリティーは、指揮官が去ってもチームに残ると伝えた。

 また、核となる選手の多さもジダン・マドリーの特長だった。『Marca』紙は、16人の選手が「いつ、どんなときでも試合に入ることができ、スタメンの一角を担える」と称賛。ローテーションや選手交代を駆使し、また、それぞれの特徴をしっかり管理することで、ジダンはレギュラークラスの選手を増やしたと評価している。
 
 もちろん、ジダンが選手たちの成長に寄与したことは言うまでもない。カゼミーロやルーカス・バスケス、マルコ・アセンシオ、ケイラー・ナバス、ナチョなど、指揮官に感謝している選手は少なくないだろう。『Marca』紙は、ジダンが若手を成長させ、さらにチームに揺るぎない信頼を置いていたと称えた。

 戦術面でも、『BBC』を中心とした4-3-3やイスコをトップ下とする4-3-1‐2(または4‐4-2)など、ジダンはバリエーションを持たせた。キエフでのCL決勝で、ガレス・ベイルの投入が見事に奏功したのは記憶に新しい。『Marca』紙は、「どんな相手でも苦しめられるカメレオンのようなチームになった」と解説している。

 最後は、エースのマネジメントだ。ときに休む必要があることをクリスチアーノ・ロナウドに理解させたのは、他でもないジダンである。年齢を考慮した試合数への配慮やローテーションの重要性をわからせたことで、C・ロナウドが恩恵を受けたことは確かだろう。

 後任の指揮官は、これらの財産を生かし、マドリーの黄金期を続けることができるのか。まずは、その舵取りを担うのが誰になるのか、新監督人事が注目される。
 
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