代表落選の井手口陽介にリーズ・ファンも同情…「恥ずべき決定のせい」「W杯にいく力はあるのに」

2018年06月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

レオネサへの期限付き移籍が裏目に…。

ガーナ戦は後半の途中から出場したが、W杯行きは掴めなかった井手口。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 5月31日、ロシア・ワールドカップに臨む日本代表メンバー23人が発表された。

 4月のヴァイッド・ハリルホジッチ監督の電撃解任を受け、急遽就任した西野朗監督が読み上げたメンバーは、本田圭佑、香川真司、岡崎慎司といった熟練の戦士たちの名前で、浅野拓磨、井手口陽介、三竿健斗の3人が漏れることになった。

 発表前日のガーナ戦に出場しながらW杯行きのチケットを逃した井手口は、浅野とともに帯同メンバーには回ったが気落ちしていることだろう。西野監督は落選の理由を次のように説明している。

「ゲーム観ということだけです。フィジカルや感覚的なものは非常に高まってはいましたが、本大会にトップフォームで入れるかという確証が持てなかった」

 昨年8月31日のW杯アジア最終予選オーストラリア戦で、日本を本大会出場に導く決勝ゴールを奪った井手口は、その当時、ロシア行きが確実視されていた。しかし、今冬にリーズへ移籍するも、就労ビザの関係でスペイン2部のクルトゥラル・レオネサにレンタルで加入。これを機に状況が一変した。

 プレー時間の確保と欧州に慣れるという意味もあり、井手口はスペインへ武者修行に出されたのだが、残留争いに巻き込まれたレオネサにあって先発出場1試合の計5試合の出場に留まり、2月以降はピッチにすら立てず、"ゲーム観"が薄れたのは言うまでもなかった。
 
 井手口がW杯メンバーに落選したことを知ったリーズ・ファンからは同情の声が相次いでいる。

 英国サッカー専門メディア『HITC』は、井手口の落選がクラブの雑な扱いがもたらしたものだと考えているファンが多いことを伝え、「極東の傑出した若き才能に危機が生じている。これがクラブへの疑念に繋がっている」として、彼らの声をまとめている。

「リーズとレオネサは彼のキャリアに大きなダメージを与えた。唯一ポジティブな点はW杯に行かないため、プレシーズンからチームに戻れることだけだ」

「リーズが下した恥ずべき決断」

「リーズと(オーナーの)アンドレア・ラドリザーニは恥を知れ。イデグチはファーストチームでプレーするだけの力があって、W杯にも出場できた」

「彼には同情する。かわいそうな若者だ」

 多くのファンから同情の声を受けた井手口だが、いまだその去就は不透明な点が多い。今夏からリーズへの正式加入が決まっているものの、6月1日にクラブがポール・ヘッキンボトム監督を解任したことで、その煽りを受けて退団またはレンタル放出という可能性もゼロとは言い切れない。

 はたして、井手口は落ち着いて自身の力量を発揮できる環境を得られるのだろうか。
 
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