「説得したかった…」ペレス会長も去りゆくジダンの決意を前日まで知らず

2018年06月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

ジダンは「アスタ・ルエゴ(また会おう)」と笑顔も。

ジダンの決断を知らされていなかったというペレス会長は悲しげな表情を浮かべて会見に臨んだ。 (C) Getty Images

 欧州制覇を成し遂げてからわずか5日、クラブ史に名を残した指揮官の決意は、クラブの全てを牛耳る男にも知らされていなかったようだ。

 現地時間5月31日、レアル・マドリーは指揮官ジネディーヌ・ジダンが辞任することを、急遽開いた会見で電撃発表した。

 今月26日にリバプールとのチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝を3-1で制し、前人未到のCL3連覇を置き土産にマドリーを去るジダンは、「これは、アスタ・ルエゴ(また会おう)かもしれないよ。ここは私にすべてを与えてくれた。私は生涯、このクラブの近くにいる」と笑顔で話し、今回の決断をした理由を明かしている。

「多くの人にとって、この決断は理解できないものかもしれない。だが、私にとっては、理解できるものだ。選手たちにはこれ以上のことは望めない。けれど、このチームは勝ち続けなければならない。だから私自身が去ることがベストだと判断した」

 この会見に同席したマドリーのフロレンティーノ・ペレス会長は驚いた様子を隠すことはしなかった。というのも、このジダンの決断を知ったのは前日だったからだ。クラブの全てを取り仕切る同会長は、「予期できないものだった」と話した。
 

「CL優勝を達成した後というだけあって、当然、予期していない決断だった。今日はファンにとっても、選手にとっても、クラブ関係者にとっても辛い日だ。だが、我々は彼の決断を受け入れ、敬意を示す。決断を聞いたとき、彼を説得したかったが、ジダンの性格をよく分かっているからそれはしなかった」

 ジダンを2001年7月当時、史上最高額の移籍金7350万ユーロ(約88億2000万円)でユーベから引き抜くなど、現役時代から親交の深いペレス会長は、フランス人指揮官への感謝の想いもこぼしている。

「ジダンの献身性や愛情、マドリーに尽くしてくれたことに感謝したい。一つ言いたいのは、これが今生の別れではなく、再会がある別れだということだ」

 幾多の栄光をクラブにもたらしたジダンの辞任を受け、新監督探しをしなくてはならなくなったマドリー。ペレス会長は一体誰を後任に据えるのだろうか。
 
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