【U-21】欧州の地で技を磨く大型リベロが躍動!トゥーロン国際大会でさらなる輝きを放てるか

2018年05月31日 川端暁彦

「本当に楽しいですよ」 という冨安は久々の代表を楽しんでいる

31日(日本時間6月1日)のポルトガル戦では、チームの勝利に貢献したいところだ。写真:佐藤博之

「やっぱり久しぶりなので、本当に楽しいですよ」

 大会開幕を前にして、約1年ぶりに参加することになった同世代の代表チームの感想を問われると、冨安健洋はそう言って微笑んだ。

 育成年代から長く過ごしたアビスパ福岡を離れ、欧州での挑戦を始めてから半年ばかり。シントトロイデン(ベルギー)での日々は必ずしも順風満帆ではなかったが、現在の状態自体は決して悪くない。

 一方で、実戦から離れていた分だけゲーム体力や試合勘には若干の不安もあった。U-21日本代表で与えられたポジションは3バックのセンター。「福岡の昇格プレーオフでやったことがあるくらい」と言うように、それほど経験のあるポジションではないものの、練習試合でのプレーフィーリングは悪くなかったようだ。

 実際、28日(日本時間29日)に行なわれたトゥーロン国際大会初戦、U-21トルコ代表との試合も堂々たるプレーぶりだった。 この試合の日本は、ボランチに入った中山雄太がビルドアップの時に相手の状況に応じて最終ラインに下がってくる新しいやり方を試していたのだが、初めてこなす3‐4‐2‐1の"森保システム"にも柔軟に対応。昨年5月のU-20ワールドカップではCBとして横関係でコンビを組んでいた男と、縦関係でスムーズなプレーも見せた。

「ボールを動かす部分はできていたと思う」と語っていたとおり、前半から日本のビルドアップはスムーズに機能していた。「相手が嫌そうな顔をしていた」と振り返ったのは中山だが、初めて試す形とは思えないほどの機能美すら感じさせる時間帯もあった。
  もっとも、最終的な結果は逆転負け。先行しながらミスから失点し、その後も落ち着きのないまま試合を進めてしまっての敗戦と、悔いばかりが残った。

「先制するまでは良かったんですが、ちょっとずつ足も止まってきてしまって、抜けたようなプレーも出てしまった。点を取ったあとに勢いに乗って畳み掛けるくらいじゃないといけなかったし、より集中しないといけなかった」(冨安)

 残るは2試合。連勝すればまだ1位突破の可能性も残されている。

「僕らは結果を求めてやっている。切り替えてやらないといけないし、結果にこだわって戦い抜きたい」

 身体の大きいFWの相手は嫌いじゃないと語る188センチの大型リベロは、残る2試合で改めて日本の力を示し、結果を残すことを誓った。

取材・文●川端暁彦(フリーライター)

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