【西野ジャパンの最新序列】山口の株が暴落。長谷部のボランチ復帰も…

2018年05月31日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

ガーナ戦での及第点は柴崎と大島だけ

ガーナ戦で低調だったボランチの山口はスタメン候補から外れる?

 5月30日に行なわれたガーナ戦は0-2と完封負け。内容に乏しく、どちらかと言えば悪い面が目立った。結果的に3-4-2-1システムはそこまで機能せず、結局のところどういうサッカーがしたいのかさえ見えなかった。
 
 この日のチームパフォーマンスをひと言で言うなら、中途半端。何を強みにして、どういうゲームに持ち込むのか。そうしたプランがまるで感じられなかった。
 
 だから、個のパフォーマンスに目を移しても特に素晴らしかった選手はいない。及第点を与えられるのは正確なボールコントロールが光った大島、味のある縦パスで局面を動かした柴崎くらいだろう。武藤もコンディションは良さそうでアグレッシブにシュートへと持ち込んでいたが、結果は無得点。CFの一番手・大迫を凌ぐパフォーマンスだったかと言えばそうではなかった。
 
 ガーナ戦で評価を下げたひとりはGKの川島だろう。2失点目につながるPKを取られた場面は果たして出るべきだったのか。21日から行なった代表練習では東口も好セーブを連発していただけに、コロンビアとの初戦(6月19日)まで序列が引っ繰り返る可能性は否定できない。
 
 その川島より酷かったのがボランチの山口だ。ボールが収まらず、軽率なミスからピンチを何度も招くなど厳しい出来だった。3月のウクライナ戦に続きこの試合も乱調と、ボランチの一番手と目された彼の株がここにきて暴落したことはワールドカップ本番に向けて痛恨の極みと言えるかもしれない。
 
 おそらく23人に入るだろう柴崎、大島、山口がメインになるボランチの争いは本大会に向けて見どころのひとつになるだろう。
 
 いまひとつ序列が見えてこないのがシャドーだ。ガーナ戦で先発出場した本田、宇佐美はともに結果を残せず、後半から出場した香川もチャンスに絡みながらノーゴールだった。強いて言えば宇佐美よりも香川のほうが良かったかな、というレベルだが、だからといって香川が不動のレギュラーになりそうというわけではない。今後の親善試合の結果次第では本田のサブ降格も考えられる。
 
 DFの昌子、植田、遠藤、右ウイングバック候補の酒井宏はガーナ戦で出番がなく、それぞれのポジションのバックアッパーとした。
 
 とにかく気になるのは山口のパフォーマンスである。同じく守備が得意と自負する井手口もガーナ戦ではパッとせず、このままでは3バックシステムを捨てて、長谷部のボランチ復帰も……。いずれにしても、チームの心臓部となるボランチが安定しないかぎり、ワールドカップでの躍進は望めない。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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