「W杯に出るだけで満足したくない」決定機逸を悔やんだ武藤嘉紀が見据えた夢舞台

2018年05月31日 羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb)

後半から入って流れを変えた韋駄天

後半開始早々からピッチに立って積極果敢にプレーした武藤だったが、ゴールを揺らすことはできなかった。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ2018]日本 0-2 ガーナ/5月30日/日産スタジアム

 停滞していた西野ジャパンの攻撃を活性化させたのは、ドイツで研鑽を磨いてきた25歳の韋駄天だった。

 昨年10月以来となる代表招集を受け、ロシア・ワールドカップのメンバー入りへのラストチャンスを与えられた武藤嘉紀は、この日、ベンチスタートとなったものの、後半開始とともにピッチへ送り出された。

 そして、3-4-2-1の1トップのポジションに入った武藤はすぐさま躍動。「ああやって前に入っていくのが自分の良さ」と話したようにキックオフ直後から積極的な姿勢を見せると、46分に山口蛍が送ったボールに対して、ニアサイドに走り込みヘッドで合わせ、80分には井手口陽介のシュートのこぼれ球を拾って至近距離から狙い、後半アディショナルタイムには岡崎慎司とのパス交換からシュートを放った。

 がしかし、いずれも枠を捉えることはできず……。ワールドカップメンバー発表前最後の試合で目に見える結果を残せなかった武藤は、次のように唇を噛んだ。
 
「相手が気になってギリギリを狙ってしまった。ああいうワンチャンスをモノにしなければいけなかった。点を取らないとFWで使われている意味はない。本番まであと少しなので集中力を高めていかないと思います」

 ただ、下を向いてばかりではない。武藤は日本が攻勢を強めていった後半途中から2トップを組んだ岡崎との連携面での手応えも口にしている。

「オカちゃん(岡崎)がしっかり下がった時に、自分が裏に抜けたりということはできた。でも、自分が深い位置で受けたときにオカちゃんが裏にいくのか、それとも足下で受けるのかという部分でミスも生まれた。ただ、今日、本番で初めてやってうまくいかないことがネガティブではない。修正点が見つかったのは良かった」

 31日にはロシア行きの代表メンバー23人が発表されるが、武藤は「もし、選んでもらえるなら結果を出さないといけないし、ただワールドカップでプレーするだけで満足はしたくない」と、6月19日に行なわれるコロンビア戦で幕を開ける自身初の夢舞台へ強く意気込んだ。

取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事