「まだ以前のお前じゃない」U-21代表FW小川航基が名波監督から課せられたミッション

2018年05月24日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「自分がエースだと証明する絶好の大会」

約1年ぶりに年代別代表に復帰した小川。「ようやく戻ってきて、改めてここからが勝負」と意気込む。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 トゥーロン国際大会(5月28日から)に臨むU-21日本代表が5月23日、トレーニングを行なった。
 
 今回のメンバーで注目を集めているのが、ジュビロ磐田の小川航基だ。東京五輪世代ナンバーワンとも言われるストライカーだが、昨年5月のU-20ワールドカップで負った左膝前十字靱帯損傷と外側半月板損傷の影響で、ここ1年は年代別代表から遠ざかっていた。
 
「大きな怪我だったので、ようやく戻ってこれたなと。改めてここからが勝負だなと思いましたね」
 
 久々の代表活動に燃える小川だが、懸念はやはりそのコンディションだ。今年3月14日のルヴァンカップ・札幌戦で約10か月ぶりに公式戦のピッチに立つと、ここまでリーグ戦とルヴァンカップを含めて11試合に出場と順調に回復はしている。とはいえ、いまだトップフォームとは言い難い。本人も「まだ一番良い時には戻っていない。身体のキレだったりとか、試合勘だったりとか、トータルして」という。
 
 しかし、焦りはない。「どんな選手を見ても、簡単に戻る怪我ではないと思っている。ここから上げていくのもひとつ経験だと思っているので、楽しみですね」と、むしろ胸を高鳴らせている。
 
 本調子ではなく、磐田で定位置を掴めていなくても代表に呼ばれるのは、高い期待の表れでもある。
「まだレギュラーを掴めていないけど呼んでもらった。ここで結果出して、力があるなというところを見せたいなと思います」
 
 復調すれば必ず活躍できる自信が、小川にはあるのだ。見据えるのは、負傷するまで掴んでいた絶対的エースの座への返り咲きである。
 
「自分がエースだと証明する絶好の大会だと思いますし、期待以上の結果を残してきたい」
 
 代表合流でチームを離れるにあたり、磐田の名波浩監督からは「2、3点取ってこい。まだ以前のお前じゃないと思っているから、コンディションを戻して帰って来い」と命じられた。
 
 指揮官の言葉どおり完全復活を遂げ、この世代のエースに返り咲けるか。小川の再起に期待したい。

【画像集】トゥーロン国際大会へ向けてU-21日本代表が本日始動! 

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
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