イニエスタ加入で神戸はどうなる? システム&起用法は?ポドルスキとの共存は?

2018年05月24日 白井邦彦

覚醒中のウェリントンも「神戸だけではなく、Jリーグにとっても大きな影響を与えてくれる」と歓迎

イニエスタが加入すれば、神戸のバルサ化は一気に加速するだろう。(C)Getty Images

 FCバルセロナの"象徴"イニエスタの神戸加入が発表された。このクラックに加入によってリーグが定める外国籍選手枠(上限5人)の問題などが発生するが、ひとまずそれは横に置いておき、ここではイニエスタの加入で神戸のサッカーがどう変わるかを考えてみたい。
 
 少しおさらいすると、神戸は今季からポゼッションサッカーへと大きく舵を切った。"バルサ風"などとメディアが謳うように、お手本にしたのがバルセロナのやり方だ。そのうえでイニエスタが加入すれば、神戸のバルサ化は一気に加速するに違いない。彼の一挙手一投足が、これからの神戸の財産になると言えるだろう。
 
 神戸の選手の反応もよく、イニエスタと同じ背番号8を背負う三田啓貴は「ウイイレ(サッカーゲーム)で使っていた選手と一緒にサッカーができるなら、やっぱり楽しみですよね」と目を輝かせた。
 
 J1リーグ15節の札幌戦で2ゴール・2アシストと活躍したウェリントンは「本当に彼が来るなら、チームだけではなく、Jリーグにとっても大きな影響を与えてくれると思う」とコメントを残している。
 
 もう少し掘り下げていく。直近の札幌戦で神戸は4−4−2システムを採用し、4−0と快勝している。だが、ポドルスキが離脱する前は4−2−3−1が基本陣形。トップ下にポドルスキを配し、彼がややフリーマン的な動きでビルドアップからオフェンスクリエイトまで幅広く関わるチームスタイルを構築してきた。
 
 一方のバルセロナは、リーガ最終節を参考にすれば4−3−3。アンカーの前に2枚のセントラルミッドフィルダーを置く形で、その左側にイニエスタが入る。彼がペナリティエリアの角付近でボールを受け、サイドを崩すのか、中央を突破するのかなどを判断していくのがざっくりした攻撃のイメージだ。フォーメーションは違うが、神戸がやりたいのも似たような形。イニエスタがすんなりとチームに入れる土壌は整っていると言える。
 
 最大の焦点は、ポドルスキとどう共存するかになるだろう。今まで彼が担っていた役割をイニエスタとふたりで行うのか、それともイニエスタを軸にチームを再構築していくのか。1+1=2ではなく、それ以上のチームケミストリー(化学反応)が生まれるスタイルを築く必要がある。

次ページ机上の空論で言えば、4-3-3のインサイドハーフにふたりを置く形が面白い

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