【神戸】それでも大物助っ人重視か…ここ2戦3発のFW渡邉千真が示した見解は?

2018年05月21日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「良い距離感を保てれば、2トップで崩せる」

前線でウェリントンと息の合ったプレーを見せた渡邉(19番)は、2ゴールを決めて勝利に貢献した。写真:川本学

[J1リーグ15節]神戸 4-0 札幌/5月20日/ノエスタ

 ロシア・ワールドカップ開催による中断前ラストゲームで、神戸は2トップのウェリントン、渡邉千真がそれぞれ2得点を奪う活躍を見せて札幌を一蹴。主役は全4得点に絡んだウェリントンだったが、渡邉もインパクト十分の働きを見せた。

 まずは2点リードして迎えた55分、GKキム・スンギュからのフィードをウェリントンが頭ですらしたボールに鋭く反応すると、右足で2試合連続ゴールを突き刺す。

「2-0だとまだ危ないと思っていたので、もう1点取る意識で後半臨みましたし、それで3点目が良い時間帯で取れました」

「(敵陣の)ゴール前では2対2という状況だったので、蹴ってそのこぼれ球を狙えればチャンスかなと思っていたので、そこは狙い通りでしたね」

 そして87分には、再びウェリントンのお膳立てを受けて今度は左足でフィニッシュ。ここまでわずか2得点に止まっていた鬱憤を晴らすかのような会心の出来に「良い距離感を保てれば、2トップで崩せる」と、胸を張った。
 ここまでのリーグ戦では確固たる地位を築けずに苦しんできたが、そんな嫌な流れを変えるきっかけになったのが、前節の磐田戦。今季初めてウェリントンと前線でコンビを組むと抜群のコンビネーションで驚異を与え、自らも1ゴールを奪うなど躍動感を見せた。

 ウェリントンがタメを作り、渡邉が背後へ抜ける。両者の息の合ったプレーは攻撃のリズムを生み出し、ひいては、チーム全体を機能させる一因にもなる。

 だからこそ、このタイミングで中断期に入るのが惜しまれる。自らの出来はもちろん、チームの戦いぶりにも手応えを掴んでいた渡邉の口から「中断しないでまた始まってほしいというのはありますね」との言葉が漏れるのも当然だ。

 ワールドカップ閉幕後も今の流れを継続したいところだが、このまま2トップ(4-4-2)を採用するかは定かではない。左腓腹筋肉離れから復帰するであろうポドルスキ、さらに、獲得間近と言われるスペイン代表MFアンドレス・イニエスタが加われば、彼らを軸に据えたシステムの採用に踏み切る可能性も否定できないからだ。

 そうなれば、今季主に採用されてきた前線を1トップにした4-3-3へ回帰するシチュエーションなどあらゆる事態が想定される。

「2トップだとゴールへの意識が高くなるし、ウェリントンも気持ちよくプレーしている」(渡邉)

 こうした声も聞こえてくるが、中断明け後、果たして神戸はどのシステムで戦って行くのだろうか。


取材・文●橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
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