【日本代表/W杯23枠のサバイバル】サプライズがあるとすれば、あのMFの落選か

2018年05月20日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

最大の激戦区はMFだろう

ロシア行きの切符を掴むのは誰か? 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 コロンビア戦での画が描けていない西野朗監督も、ガーナ戦に向けての国内合宿ではなにかしらの方向性を示すはずだ。そして、公の場で初めて西野ジャパンがベールを脱ぐのが、5月30日のガーナ戦(@日産スタジアム)ということになる。
 
 そのガーナ戦では、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が一貫して使ってきた4バックから3バックに切り替える可能性もあるという。実際にそうなった場合、リベロは長谷部誠か。本職はボランチながらも近年のフランクフルトでは3バックのセンターを主戦場としているので、抜擢される可能性は十分だ。
 
 グループリーグでいずれも格上のコロンビア、セネガル、ポーランドと戦うワールドカップでは押し込まれる展開が想定されるだけに、"リベロ長谷部"を中心とした守備ブロックが機能するかは大きな見どころのひとつだ。たとえ4バックだとしても、敵の攻撃をどう凌ぐかは本大会に向けて重要なポイントになる。
 
 西野監督は4月12日の就任会見で「できればオフェンシブに行きたい」と話していたが、さすがに無理だろう。4年前のブラジル・ワールドカップ、グループリーグの最終戦でコロンビアにオープンな戦いを挑んでどうなったか、今一度思い出してほしい。水をも漏らさぬ守備こそ、躍進への最大の鍵になるのだ。
 
 23人枠の話をすれば、GKの3選手(川島永嗣、中村航輔、東口順昭)とDF8人(長友佑都、槙野智章、吉田麻也、酒井宏樹、酒井高徳、昌子源、遠藤航、植田直通)は人数的なバランスで考えると、当確と言えそうだ。

 最大の激戦区はMF。長谷部のリベロ起用を前提とすると、ボランチ候補6人(山口蛍、柴崎岳、大島僚太、三竿健斗、青山敏弘、井手口陽介)のうち少なくとも2人は外れるはずだ。
 
 MF登録の乾貴士、原口元気、宇佐美貴史はFWもこなせるだけに、武藤嘉紀、浅野拓磨あたりも胡坐をかいてはいられない。いずれにしても、彼らの命運を分けそうなのはコンディションになりそうだ。
 
 その意味では、「代えが利かない」と西野監督にお墨付きをもらいながらもコンディションに不安を抱える岡崎や香川も安泰とは言い切れない。実際、西野監督は香川について「デリケートに考えないといけない。このキャンプで確認したい」とコメントしている。もしキャンプで結果を残せず、コンディションが現状より上向かなければ……。最大のサプライズがあるとするなら、それは香川の落選か。

 香川は国内合宿で、そしてガーナ戦で誰もが納得いくパフォーマンスを披露する必要がある。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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