【日本代表】コンディションよりネームバリュー? 結局はビッグ3頼みなのか

2018年05月18日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

メンバーの選出基準が見えてこない

本田、香川、岡崎のビッグ3を「代えが利かない」とコメントした西野監督。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 結局のところ、ビッグ3頼みなのか。
 
 5月18日に行なわれた代表メンバー発表で、西野朗監督は本田圭佑、岡崎慎司、香川真司のビッグ3を「代えが利かない」と言った。代えが利かないということは、代役が不在で極めて重要な戦力という捉え方ができる。西野朗監督がどういうスタンスでこの言葉をチョイスしたかは知る由もないが、普通に考えれば、本田、岡崎、香川はコンディションさえ整えばスタメンで起用される可能性が高い。
 
パチューカでそれなりに活躍していた本田はともかく、コンディションに不安を抱える岡崎と香川を、ポルトガル・リーグで絶好調だった中島翔哉を外してまで招集する必要があったのか。怪我などでシーズン終盤はあまり試合に絡めていなかった岡崎と香川をそれでも呼んだところから判断すると、「コンディションよりネームバリュー?」と勘ぐってしまう。
 
 広島の快進撃を支えるMF青山敏弘は現在のコンディションが選出の決め手になったはずだが、クルトゥラル・レオネサで構想外に近い井手口陽介、シュツットガルトで干された状態にあった浅野拓磨はなぜエントリーされたのか。正直、今回のメンバーの選出基準が見えてこない。
 
 中島のような活きのいい選手こそワールドカップのような短期決戦に必要なように思えるが……。オランダ・リーグで躍動した堂安律(フローニンヘン)も外れ、どこか無難なメンバーにまとまった印象もある。それが良いか悪いかはさておき、気になるのは西野監督のコロンビア戦に対するスタンスだ。
 
「コロンビア戦に向けて、正直、まだ画が描けないということはあります」(西野監督)
 
 コロンビアとの初戦でどう勝点を掴むか、そのためにはどういうプランで、どんなメンバーで戦うべきか。それがワールドカップで成功を収めるためのスタートラインなはずなのに、そこさえ固まっていないというのはどういうことなのか。やはり、今回のメンバーの選出基準は見えてこない。
 
 "材料集め"がいまひとつでも、それを"調理できる優秀な腕"があれば問題ないが、2年以上も監督業から遠ざかっていた西野監督に短期間でチームをまとめる力はあるのか。今はただ見守るしかない。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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