ギリシャ人記者が日本代表をジャッジ「実力は我々を上回っている」

2014年06月17日 マノス・スタラモプロス

日本の弱点はメンタルの脆さとコンタクトプレーの弱さ。

コートジボワール戦では、パワーの違いを見せつけられた日本。ギリシャも屈強なフィジカルを持つチームだ。 (C) SOCCER DIGEST

 コートジボワール戦の日本には、規律ある組織的な動きを叩き込まれたチームという印象を持った。その上で、本田圭佑や香川真司、長友佑都といった個々のタレントが違いを生み出し、試合の序盤は日本が優勢に進めていたと私は思う。実際にその3人の連係から生まれた16分の本田のゴールは、この時点の試合内容を反映したものだった。
 
 19日(日本時間20日)に日本と対戦する我がギリシャも、日本の左サイドからの攻撃には十分に警戒しなければならない。香川と長友はどちらも俊敏性とスキルに長け、狭いスペースを打開する力を持っている。
 
 聞くところによると、左のセントラルMFに遠藤保仁が入ると、左サイドの攻撃がよりスムーズになるようだ。ただコートジボワール戦ではその効果はさほど見られなかった。一方、右サイドはダイナミズムと推進力が特徴で、内田篤人と岡崎慎司の献身性が目立つ。 しかしこちら側のサイドには創造性がさほど感じられず、岡崎も本来は飛び出しを持ち味とするようだが、初戦ではディフェンスでの貢献ばかりが印象に残った。
 
 ウィークポイントとしては、メンタル面の脆さとコンタクトプレーの弱さが挙げられる。国歌斉唱の時、複数の選手たちから高揚というよりも緊張が感じられ、先制点を奪った後もどこか臆したようなプレーが散見された。スポーツをした経験のある人ならば、誰もが知っているだろう。過度の緊張感は疲労を増幅させるものだ。
 
 コートジボワール戦の日本も1点をリードして前半を折り返しながら、後半はみるみる動きが鈍くなっていった。当然相手が強かったこともあるが、精神状態がひとつの要因になっていたはずだ。
 
 また、コートジボワールと日本の選手には目に見える体格差があり、イーブンのボールの競り合いや、ボールを持った相手へのプレスの際に、その差が顕著に表われていたように思う。ギリシャとしても、テクニックでは劣るかもしれないが、フィジカルでは優れているはずなので、日本のペースに持ち込ませないことがカギとなるだろう。
 
 初戦に敗れたチーム同士が相まみえるナタウでの一戦は、生き残りを懸けた重要な試合となる。互いの初戦の内容を振り返ると、日本が先制しながら競り合いの末に逆転負けを喫した一方で、ギリシャはまったくいいところなく惨敗した。両者の実力をニュートラルに評価すれば、日本が優勢と言わざるを得ない。
 
 よって、ギリシャの日本戦での勝算は35パーセントほど、と記しておくのがフェアだろう。もちろん、私はギリシャの勝利を願っている。
 
文:マノス・スタラモプロス
翻訳:井川洋一

【写真で振り返る】コートジボワール戦
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