「どこがPKなんだ!」「スキャンダラスな事件」セルビアで起きた“あり得ないミスジャッジ”が大波紋!

2018年05月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

股間を抜けたはずが「ハンド」と見なされて…

セルビアのプレーオフ3位の座を巡る一戦で驚きのミスジャッジが。写真のレッドスター(左)とパルチザン(右)は前者の1位、後者の2位がほぼ確定している。(C)Getty Images

 シーズン大詰めのセルビア・スーペルリーガで、前代未聞のハプニングが起こった。
 
 現在はレギュラーシーズンの上位8チームによるプレーオフを開催中。優勝チームにはチャンピオンズ・リーグ出場権(1次予選から)、2位と3位にはヨーロッパリーグ出場権(1次予選から)が与えられる。5月13日の第6節では、同勝点34で並ぶ3位スパルタク・スボティチャと4位ラドニチュキ・ニシュが激突。全7節の短期決戦だけに、勝ったほうが欧州カップ戦に向けて俄然有利な立場になる重要な直接対決だ。
 
 白熱の攻防戦はスコアレスのまま終盤戦に突入する。均衡が破れたのは65分だ。スパルタクがPKを得て、ネマニャ・ニコリッチが難なく決めて先制に成功。最低でもアウェーで1ポイントを持って帰りたいラドニチュキも負けじと反攻を仕掛け、一進一退の攻防に……。そして78分、とんでもないジャッジが下されるのだ。

 
 スパルタクがカウンターで右サイドを攻略する。中央へ送ったグラウンダーのクロスは相手選手の股間を抜けるも、手前でクリアされてしまう。なんということのないプレーだが、ここでスルジャン・オブラドビッチ主審はPKスポットを指さしたのだ。どうやらマーカーがハンドを犯したとジャッジしたようだが、明らかな勘違いである。このPKをニコリッチがふたたびゴールに蹴り込んでリードを広げ、そのままスパルタクが2-0の快勝を収めた。
 
 まさに世紀のミスジャッジで、セルビア国内のメディアは大々的に取り上げた。全国紙『Telegraf』は「オブラドビッチのワンマンショー。意味不明なPKでスパルタクが貴重な3ポイントをゲットした」と報じ、同じく全国紙『Novosti』も「スキャンダラスな事件だ。このままでは済まされないだろう」と断じている。『Novosti』の投稿欄にはファンからの怒りのメッセージが相次ぎ、「どこがPKなんだ!」「いったい主審はいくらもらった?」「オブラドビッチは永久追放にすべき!」「セルビア・サッカーが地に堕ちている証だ」と、バッシングが展開されている。
 
 プレーオフはまだ1試合残されているが、ラドニチュキにとっては実に厳しい情勢だ。スパルタクとの勝点差は3ポイントながら、得失点差で6ポイントの差を付けられてしまった。ヨーロッパリーグ出場はきわめて達成困難なミッションとなっている。
 

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