ポドルスキ不在は逆にチャンス?渡邉千真が明かした"2トップ"の効能

2018年05月12日 梶山大輔(サッカーダイジェスト)

「つなぐところとシンプルに入れるところの使い分けができれば」

先制点を決めた渡邉千真。神出鬼没なポジショニングで巧みにギャップを突き、磐田守備陣を混乱させた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ14節]磐田0-2神戸/5月12日/ヤマハ
 
 神戸が2-0というスコア以上の快勝を収め、5試合ぶりの勝点3を獲得した。
 
 勝利の立役者となったのは、それぞれ1ゴールを奪った渡邉千真とウェリントンの2トップだ。クレバーな前者が幅広く前線を動き回って起点を作れば、圧巻のフィジカルを誇る後者がロングボールを確実に落とし、味方につなげる。補完性のある2トップが躍動したことで、攻撃はスムーズだった。
 
 10分にこぼれ球を押し込んで先制点を決めた渡邉は、試合後に手応えを口にした。
 
「2トップでのボールの引き出し方は試合で出せたと思う。最終ラインの裏も狙えたし、バイタルエリアで(パスを)受けられる感覚もあった。後ろがしっかりと運んでくれたので、もらいやすかった」
 
 今季からポセッションスタイルに舵を切った神戸は、ポドルスキをトップ下に据え、前線は3トップが基本形だった。しかし、そのポドルスキは怪我で離脱中。前節は郷家友太をトップ下として起用したが、広島の堅守を崩せず完封負け(0-2)を喫していた。
 
「このメンバーだと、このシステムというか2トップがよいと思っていた。チームとしてそんなに2トップをやっていないわりには、形を出せたと思う」
 
 そう語る背番号19は、チーム戦術についても自身の考えを述べた。
 
「今後どうなるかはわからないが、オプションというか、『2トップでもやれる』というのを示せた。ベンチはパスをつなぐのが理想だと思うが、やっている僕らは、前の選手を活かしたほうが強いと思うし、つなぐところとシンプルに(前線にパスを)入れるところの使い分けができれば、もっと良い攻撃ができるはず」
 
 対戦相手や戦況によって、ポゼッションと速攻を使い分ければ、どんな場面でも試合を優位に進められるだろう。臨機応変な対応力を見せた神戸は、厄介なチームになっていきそうだ。
 
取材・文●梶山大輔(サッカーダイジェスト編集部)
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