ハリル前監督が「謝罪」を求めて提訴へ 日本協会はすでにFIFAと協議済みとも

2018年05月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

田嶋会長は「今後も誠意をもってしっかり向き合っていきたい」

ハリルホジッチ氏は、FIFAにも異議を申し出る動きがあるという。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 前日本代表監督のヴァイッド・ハリルホジッチ氏が、日本協会による契約解除の際の対応に対して提訴する考えがあることが分かった。
 
 日本協会の田嶋幸三会長は、ワールドカップの直前に歴代会長が行なう和歌山・田辺市の熊野本宮大社での必勝祈願の席上で「我々は前にチームが進んでいますから。(ハリルホジッチ氏の提訴に)関係なく進んでいく」と淡々と話した。
 
 多くの報道には「監督解任」という見出しが躍っているが、日本協会内で田嶋会長を筆頭に「契約解除」ということで確認している。このほど、ハリルホジッチ氏側の弁護士が日本協会の顧問弁護士に「質問状」を提出したが、日本協会はこれを受けて「文書(質問状)の受信を確認しております本件については弁護士に対応をまかせておりますのでコメントを差し控えさせていただきます」とした。
 
 代表監督の契約解除については、「会長の専権事項になっている」(協会幹部)。協会の理事会ではこの件は追認事項になっており、会長が決断すれば何ら違法性がないとしている。田嶋会長は「今後も誠意をもってしっかり向き合っていきたい」と話しており、今回の契約解除についてはハリルホジッチ氏だけがへそを曲げている状況だ。
 
 同氏が連れてきたコーチ陣は田嶋会長と西野監督に「お世話になりました。今後、日本でいいオファーがあったら紹介してほしい」と握手をして別れている。
 
 ハリルホジッチ氏側は日本協会に改めて謝罪を求めているが、それが叶わなかった場合は国際サッカー連盟(FIFA)にも異議を申し出る動きがある。しかし日本協会側はすでにFIFA側とハリルホジッチ氏との契約解除について協議しており、日本協会に問題点はないというお墨付きをもらっているという。
 
 西野ジャパンがスタートした今、今後はメンバー発表など4年に一度の一大イベント・ワールドカップにむけて最も大切な時期に入る。
 
 ハリルホジッチ氏が正式に提訴に踏み切れば、何とも後味の悪い状況でロシア大会の開幕を迎えることになりそうだ。
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