日本の育成年代と森岡亮太の印象は? ルカク、コンパニらを輩出したベルギー古豪の育成指導者に訊く

2018年05月11日 佐々木裕介

指導者を受け入れていた横浜とは「フィロソフィーが非常に似ていると感じた」

RSCアンデルレヒトU-14を率いたムクリーム監督(右)。日本の育成年代への印象や自チームの問題点なども率直に語ってくれた。写真:佐々木裕介

『RSCアンデルレヒト』。名頭のアルファベットは"Royal Sporting Club"の略である。1908年にブリュッセル首都圏地域・アンデルレヒトにて創設されたクラブは、いまやベルギー全土にファンを持ち、国内リーグ最多優勝34回を誇る国内屈指のまさに"ロイヤル・クラブ"である。

 ヴァンサン・コンパニ(マンチェスター・C)、ロメル・ルカク(マンチェスター・U)、アドナン・ヤヌザイ(R・ソシエダ)。彼らは皆、アンデルレヒトの下部組織出身者。また次世代のベルギー代表を背負って立つ逸材と注目されている、ユーリ・ティーレマンス(モナコ)、デニス・プラート(サンプドリア)、フランチェスコ・アントヌッチ(アヤックス)らも同様にアンデルレヒトの育成上がりの選手達だ。

 ベルジャン・フットボールの真髄と言っても過言ではないRSCアンデルレヒト。そのU-14チームが「東京国際ユース(U-14)サッカー大会」に出場するために来日した。

 馴染みのなかったベルギーサッカーと触れる良いチャンスとばかりに、記者は連日会場へ。ベンチ裏に張り付いてみた結果、同チーム監督のムクリーム氏に話を聞かせてもらうことができた。


――初めての日本だそうですね。楽しんでいますか?

「ただただ、ホスピタリティの素晴らしさにびっくりしていますよ。日本へ来たことのある友人たちから聞いていた"また訪れたくなる"という理由が分かりました」

――大会を通じて感じた日本チームの印象を聞かせてください。

「あくまでも対戦したチーム(東京V戦 △1-1/ソウル選抜戦 ●0-1/Jリーグ選抜戦 〇3-1/宮城県選抜戦 〇4-0/FC東京戦 ●1-3/ベルリン選抜戦 ●1-1<2PK4>)からの印象になりますが、とてもスピードが速く、私たちよりも賢いプレーをしている印象を持っています。これはお世辞ではなく本心です」

――ベルギーの隣国であるドイツ、オランダやフランスの育成哲学や指導理論は、日本へ輸入され学ぶ機会も多いのですが、ベルギーのそれとなると馴染みは薄いのですが。

「何でなんでしょうね(笑)。たまたま今まで縁が無かっただけのような気はしますが。しかし私たちのクラブレベルで言えば、Jリーグとは良い関係を築けており、昨年は横浜F・マリノスから指導者を受け入れていたんです。意見交換をする中で、彼らとはフィロソフィーが非常に似ていることも感じました」
 

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