バルサとR・マドリーはどう強いのか? 柴崎と乾が語る世界トップとやる“楽しさ”

2018年05月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

柴崎と乾が肌で感じたリーガの「2強」の凄さ

(C)Getty Images

 5月6日(日)、この2大メガクラブが激突する"伝統の一戦"クラシコが行われる。シーズン前半の対戦では、当時不調だったクリスチアーノ・ロナウドがチャンスで空振りに終わり、バルセロナが伝統の3トップを応用した4-4-2を展開。攻守両面でハイブリッドな戦いを見せ、チームの新しい可能性を示したバルセロナが、アウェーで0-3の勝利を飾っている。

 両者のチーム状況を反映したこの結果は、シーズン全体に影響。バルセロナはその後リーガ不敗記録を樹立し、3試合を残して優勝を決めた。レアル・マドリーもシーズン後半には調子を上げ、チャンピオンズリーグ最多優勝へ迫る勢いだ。今季も2強の強さ、そしてクラシコが世界のサッカーシーンをリードする試合なのに変わりはない。
 
 その、一言で表現できない2強の強さを、ヘタフェに所属する柴崎岳(MF)は、こう語る。

「レアル(・マドリー)含めてバルサもそうですが、上位のクラブは、それぞれ独特のスタイルがある。色があって、それは優劣つけられないというか、もともとスタイルが違うので、彼らと対戦する時はいつもと違った策を講じなければならない。もちろんレベルの高い選手を揃えていますし、それぞれに合った対策を考えなければならないのはあります」
 
 エイバルの乾貴士も同じように、2強と対戦した手応えを聞くと個人の差をあげた。

「どうしても差はある。チーム力の差というか個々の差が一番大きいですね。それはすごく感じるので、自分の『個』の面で見ると(張り合うのは)すごく難しい。なかなか何かを達成できたという試合はないです」
 
 個々の技術・レベルの高さに加え、自分たちの戦い方を確立している。そして、それを続けてきた歴史。その伝統もチームの強さのひとつだ。それは簡単に追いつけるものではない。
 
 それでも、柴崎はクラブW杯でレアル相手にゴールを挙げ、リーガでは移籍後初得点をバルサから奪った。乾が昨シーズン最終節のバルサ戦で決めたゴールは、スペイン国内で話題をさらった。すでに彼らは、2強相手に勝負できるところまで登ってきている。
 
 2年前のクラブW杯決勝でのレアル戦を振り返り、柴崎が一番に口にするのは、悔しさだ。

「負けて悔しい思いの方が当時強かったですね。ゴールを決めても、試合に勝てないと全然満足できなかった。勝てるチャンスがあった分、もっと上手くできたという思いもあります。やりきれなさというか、リベンジじゃないですけど『彼らのようなクラブと対戦して次は勝ちたい』『選手としてさらに成長して彼らと対等に戦いたい』と感じた1試合でした」
 
 乾も相手の強さは認めたうえで、勝利の可能性を見出している。

「特にホームのイプルーアでチームで戦う時は、ファンの声援もあるし、コートが小さいので自分たちのプレッシングがすごく効果的に出る。今年、レアルともバルサとも試合をしましたが、すごくいいサッカーができていた感触はあります」
 
 すでにバルサとレアルは、届かない世界の巨人ではない。追いつくのは難しくとも、日本人選手にとって2大メガクラブは、全力を尽くして挑戦する意味のある、目標のひとつになった。そして、柴崎と乾の二人から聞かれた共通の言葉は、やはりサッカーをするものにとって一番純粋な気持ちである。
 
「(クラブW杯決勝は)実際に、レアルの強さをよく知らない分だけ、怖いもの知らずで勇敢に闘えた部分も鹿島アントラーズにはあった。今になってわかる凄さもありますし、やはり勝つのは容易ではないです。でも、脅威というより、そういった舞台で試合できる楽しさの方が勝っていた気がします」(柴崎)
 
「(2強と)差が縮まったとかは口にできないですけど、とにかく言えるのは毎回楽しいってことしかないですね。やっぱりああいうチームとやれるのは幸せなこと。相手が真剣かどうかもわからないけど、自分たちが必死でやれるのが、すごく楽しいです」(乾)
 
 観る者も、戦う者も楽しませる、極上のサッカー。それがバルセロナとレアル・マドリードであり、伝統の一戦"クラシコ"である。

提供:WOWOW
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