大迫勇也のケルン降格に地元紙が嘆き…「欧州からの転落」「最も不必要な降格」

2018年04月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

守護神は1年での復帰へ早くも意欲。

降格という現実に俯くケルンの面々。今シーズンの残り2試合で彼らはサポーターへ“再昇格”への意気込みを示せるだろうか。 (C) Getty Images

 ドイツの古豪が、5シーズンぶりの2部降格という屈辱を味わうことになった。

 現地時間4月28日、ブンデスリーガ32節で最下位のケルンは16位のフライブルクに2-3で敗れ、来シーズンの2部降格が決定した。

 2試合ぶりに先発出場を果たした日本代表FW大迫勇也のパフォーマンスにも注目が集まった一戦は、フライブルクがリードする展開が続いた。14分にニルス・ペーダーゼンのゴールで先手を取ると、52分にも再びペーダーゼンがネットを揺らしてケルンを突き放したのだ。

 何とか食い下がりたいケルンは、82分と87分にレオナルド・ビッテンコートがゴールを挙げて土壇場で追いついてみせた。がしかし、後半アディショナルタイム2分にフライブルクのFKの流れからルーカス・ヘラーにゴールを奪われ、終焉の時を迎えた。

 直近20年でブンデスリーガ最多となる6度目の降格が決定したケルン。今シーズンは、25年ぶりの欧州カップ戦(ヨーロッパリーグ)に出場するなど飛躍が期待されたが、結果として、負荷の強い試合が続いたことで、怪我人の続出を招いた。

 また守備陣もリーグワーストの62失点と崩壊。拙守が目立ち、勝ち切れずに勝点の取りこぼしを続けただけに、降格は当然と言えるだろう。
 地元紙『Kölner Stadt-Anzeiger』は、「欧州からの転落……最も不必要で回避できたはずの降格」と銘打ち、次のように贔屓クラブの醜態を嘆いた。

「フライブルクとのクレイジーかつエモーショナルな試合の後、降格が決定した。ファンはこの数週間、いや数か月間、降格に向けた精神的な準備できていたはずで、そういう面でみれば、痛みはさほどないかもしれない。しかし、この降格は明らかに不要で、回避できたものだ。

 開幕前のポジションは25年間で最も良かったはずで、財政的にもアントニー・モデストを高額で売却できたことでバラ色だったはずだ。しかし、チームはエースを失った致命傷を癒せぬまま、大きなチャンスとクラブの未来を失った。

 それでも、ポイント的なことを考えれば、まだ可能性はあった。しかし、降格危機に長く晒されすぎたことで競争力が低下していってしまったのは、紛れもない事実である」

 今月26日にクラブとの契約を2023年まで更新し、残留を発表していた守護神のティモ・ホルンは、「今は何も考えられない。ただ、一つだけ言えることは、僕らは必ず1年でここに戻ってくるということだ」と断言。この力強いコメントを受け、『Kölner Stadt-Anzeiger』は、「チームスピリットと士気は、早くも高まっている。それは唯一良いニュースだと言える」と綴っている。

 はたして守護神の言葉通り、ケルンは1年でブンデスリーガに舞い戻れるか。そのために必要な戦力は整えられるのか。退団が噂される大迫の動向も含め、古豪の復活に注目したい。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事