「法律的にも不公平」「権利の乱用」ハリル氏が日本サッカー協会に対して訴訟準備

2018年04月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

「答えが知りたい」ハリルホジッチ氏は真相解明のために動く。

自らが日本代表監督を解任された真実を追うハリルホジッチ氏。はたして、その答えは見つかるのだろうか。 写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

「真実を探しに来たといったものの、残念ながら真実は見つかっていません」――4月27日、日本記者クラブで会見を開いた元日本代表監督のヴァイッド・ハリルホジッチ氏は、悲観した表情を浮かべ、そう言葉を絞り出した。

 しかし、ハリルホジッチ氏は、4月7日に電撃解任をされて以来、追い求め続けている"真実"を解き明かすべくさらなる手段を講じるようだ。会見後、同氏の弁護士を務めているリオネル・バンサン氏が、訴訟を起こす準備をしていることを、『AFP』を通じて明らかにした。

 27日に総勢332人を集めて行った会見で「考えつく限りの最悪の悪夢」と今回の解任を振り返ったハリルホジッチ氏。日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は選手との信頼関係の喪失を解任理由に挙げていたが、同氏は、「コミュニケーションと信頼関係が薄れているということが分からない。本当に答えが知りたい」と、同会長の意見を否定し、疲弊した表情で心情を吐露していた。

 そんなボスニア人監督を弁護しているバンサン氏は、「協会は権利を乱用している」と、JFAを痛烈に批判。さらに法的措置を取ることを示唆した。
 

「今回の決定は有効ではない。法律的にも不公平だ。ヴァイッドは解任の真実を求め続けていて、我々も動く準備ができている。JFAから真実を得られないのであれば、裁判官の前で解き明かすことになるだろう」

 27日の会見では、大勢の記者たちを前に約93分間の独演会を展開したハリルホジッチ氏は、「私は知りたい。教えてください皆さん。こういった時期に、こういった結果というのは、本当にいいのでしょうか?」と、日本サッカー界の未来に疑問を投げかけていた。

 果たして、ワールドカップ本番を直前にした前代未聞の騒動は、いかなる決着を見ることになるのか。問題の解決には時間を要すことになりそうだ……。
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