【EL】終了間際に同点弾が炸裂! 10人のアトレティコが驚異の粘りでドローに持ち込む

2018年04月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

守護神が守り、エースが決める!

敗戦濃厚となった82分、グリエーズマンがカウンターから貴重なアウェーゴールを叩き込んだ。(C)Getty Images

 現地時間4月26日に実施されたヨーロッパリーグ準決勝第1レグ、アーセナル対アトレティコ・マドリーの一戦は、1-1のドローに終わった。

 両チームにとって、簡単な試合ではなかった。

 アトレティコのDFシメ・ヴルサリコが10分という早い時間に2枚目のイエローで退場となり、ホームのアーセナルは1試合の大半を数的優位の状況で戦った。

 ホームチームはスタンドのファンの煽りもあり、ここで一気に試合を決めようと猛攻を仕掛ける。21分にはダニー・ウェルベックがジャック・ウィルシェアとのワンツーで抜け出し、至近距離から力強く右足を振り抜くと、31分にはDFのナチョ・モンレアルまでもが攻め上がり、豪快なシュートを撃ち込んだ。

 だがアトレティコは、スペイン勢としては数少ない「守れるチーム」だ。アウェーで10人という状況になり、逆に「0-0でいい」と開き直れたのだろう。前述したアーセナルの決定機にも、守護神ヤン・オブラクを中心に慌てずに対処。前半をスコアレスドローで終えることに成功した。

 逆に37分には、トーマス・パーテイが力強いドリブルで、アーロン・ラムジー、グラニト・ジャカ、ウィルシェア、そしてロラン・コシエルニーを次々とかわし、スコドラン・ムスタフィが出てきたところで並走するアントワーヌ・グリエーズマンにパス。エースのシュートはダビド・オスピナの好守に阻まれたものの、あわや先制のシーンまで作っていた。
 
 後半も変わらず攻勢に出たアーセナルが、ついにアトレティコの鉄壁を破ったのは61分だった。ウィルシェアの左からのクロスを、飛び込んできたアクレサンドル・ラカゼットが頭で決めたのだ。

 だが、1点を失ってもアトレティコは慌てなかった。アウェーゴールを奪えば逆に有利な状況でホームの第2レグを迎えられることを、だれもが知っていた。そして、彼らはそのミッションを見事に完遂する。

 82分、ホセ・ヒメネスの縦一本のロングフィードに、ただひとり敵陣に残っていたグリエーズマンがオフサイドぎりぎりのタイミングで抜け出す。食らいつく同胞コシエルニーを振り切ると、ゴール前で寝そべるようにコースを防いでいたムスタフィの上を破る技ありのシュートで、貴重なアウェーゴールをもぎ取ったのだ。

 これによって追う立場になったアーセナルは、残りの時間をめいっぱい使って攻撃を仕掛けたものの、アトレティコの堅守を崩せず、87分のラムジーのヘッドも名手オブラクの指先によってかき出され、結局1-1のまま試合終了。数的優位の状況を活かせなかったアーセナルにとっては、手痛いドローとなった。
 

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