敵襲を受けたリバプール・ファンが危篤状態に…好戦の裏で起きた暴力騒動に広がる波紋

2018年04月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

「鈍器で急襲されて…」

サッカー界に暗い影を落とす暴力は、いまだ消えることはないようだ。 (C) REUTERS/AFLO

 現地時間4月24日、アンフィールドで行なわれたチャンピオンズ・リーグ(CL)準決勝第1レグはリバプールが5-2とローマを退け、11年ぶりの決勝進出へ大きな一歩を踏み出した。しかし、その快勝劇の前に「卑劣な暴力」によって、リバプール・ファンの一人が危篤状態に陥る事件が発生し、好ゲームに暗い影を落としている。

 事件が発生したのは、試合開始前だった。地元マージーサイド警察の発表によれば、加害者は25歳と26歳のローマの男性サポーター2人で、事件当時、アンフィールド近くのパブで53歳(男性)のリバプール・サポーターを鈍器のようなもので襲ったとして殺人未遂容疑で逮捕したという。

 また同警察は、「被害者はこのローマ戦のために兄弟と一緒にアイルランドからリバプールへ来て、パブの近くで発生した両軍のファン同士の言い争いの最中に暴行を受けたとみられる。頭部を痛めており、いまも危篤状態にある」とも公表している。

 試合の前後に街の至るところでいがみ合っていた両サポーター。英国国営放送『BBC』は、殺人未遂容疑で捕まった2人に加えて、「さまざまな容疑で20歳から43歳までの男7人が拘束された」と報じている。
 

 一連の暴力騒動を受け、リバプールは、「我々はショックを受けており、愕然としている」とし、さらにローマも「サッカーには卑劣な振る舞いが入り込む余地はない」と声明を発表。さらにリバプールの主将であるジョーダン・ヘンダーソンは、SNSで被害者の身を案じるメッセージを綴った。

「僕ら全員の祈りは、昨日の試合前に重傷を負い、今も状態が良くないリバプール・ファンのためにある。彼は試合を観るため、僕らのチームをサポートするためにやってきた。今、僕らにとって最も重要な結果は、彼が無事に回復し、家族や愛する人のもとへ帰ることだ。You’ll Never Walk Alone」

 いま、不安視されているのは、来週の水曜日にローマで行なわれる第2レグでの、リバプール・ファンによる復讐劇だ。

 英大衆紙『The SUN』は、試合を観戦予定のリバプール・ファン5000人に対し、現地警察がセキュリティーを強化することを決め、スタジアム周辺でのアルコールの販売を禁止すると報じている。

 はたして、ローマでの決戦は平穏無事に終わるのか。両軍サポーターの間で緊張感が高まりを見せている。
 
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