［J１リーグ９節］G大阪 １-０ C大阪／４月21日／吹田S

　リーグデビューは思わぬ形で訪れた。

　16分、GK東口順昭が味方と交錯してプレー続行不可能となるアクシデントが発生。窮地に立たされたガンバのゴールを急遽守ることになったのは、21歳の林瑞輝だった。

「大阪ダービー」という独特なムードに呑まれても不思議はないなかで、林はその不安を打ち消すかのように柔軟にプレー。50分に、敵のクロスにいち早く反応して横っ飛びでセービングすれば、終了間際にはループシュートを片手１本でかき出し、難を逃れるなど、見せ場も作った。

　この活躍ぶりについて、本人はミッドウィークに行なわれた浦和戦でフルタイムプレーしていた経験をひとつの要因に挙げた。

「ルヴァンではある程度自分のプレーはできていたと思うので、そういうのもあって今日はゼロに抑えることができたのかなと思います」

　U-23（J３）を主戦場とする林にとって、この浦和戦はトップチームでのデビュー戦でもあった。結果的にPKで１失点を喫し敗れたが、鋭いセービングを随所に見せるなど、それなりに持ち味を出せたことがこの日のプレーにもつながったようだ。

　トップチームの一員として、この５日間でカップ戦、そして、リーグ戦でもデビューを飾った。本人にとってはある意味ターニングポイントとも言えそうな５日間を経て、果たしてさらなる成長へと突き進めるか。

「（大阪ダービーでは）なかなか声が通らないなかで、飛び出しとか、フィードという持ち味は出せたかなと思うので、この経験をまた活かせるように普段からリードしてやっていきたいです」

　こう意気込む林にはおそらく、25日の湘南戦でも出番が回ってくるはずだ。「大阪ダービー」で大活躍した若き守護神のパフォーマンスには、引き続き注視したい。

取材・文●橋本 啓（サッカーダイジェスト編集部）

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