青黒軍団と桜軍団の大阪ダービー。絶対に負けられない、意地とプライドがぶつかり合う一戦でG大阪に勝利をもたらしたのはファン・ウィジョだった。
 
　G大阪のホームで行なわれた浪速のライバル対決は、序盤から激しい攻防が展開された。その激しさは時間が追うごとに増していき、青黒軍団は11分にアクシデントに見舞われる。

　日本代表GKの東口順昭が三浦弦太と激突し、顔面を強打。プレー続行不可能となった絶対的な守護神に代わりに、21歳の林瑞樹がJ１デビューを飾る緊急事態となったのだ。
 
　試合の行方に暗雲が立ち込めるなか、嫌なムードを払拭したのがファン・ウィジョだ。今季ここまでチームトップの５得点を挙げているストライカーは41分にドリブルで仕掛けると、ペナルティーキックを獲得。この絶好機を見逃さずに自らネットを揺らし、チームに勝点３をもたらす一撃を沈めた。

　最後まで手に汗握るダービーマッチで殊勲者となったファン・ウィジョ。「多くのサポーターたちが来てくれて、サポーターたちの力で勝つことが出来たと思います。ありがとうございます！」という言葉で、パナソニックスタジアム吹田に駆け付けた大勢の観客に感謝の気持ちを伝えた。
 
　とはいえ、順位はまだ17位。数多くのタイトルを獲得してきたG大阪がいるべき場所は、もっと上にある。「この勝ちに満足せずに、これからもっと上の順位に行けるように、勝てるように進んでいきたい」という言葉を残した11番は現状に満足せず、さらなる高みを目指して次の戦いに挑むつもりだ。

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