[Ｊ１リーグ９節]浦和０－０札幌／４月21日／埼玉

　札幌のペトロヴィッチ監督は、古巣とのスコアレスドローに小さくない手応えを得たようだ。
 
　アウェーに乗り込んだ９節の浦和戦。ペトロヴィッチ監督率いる札幌は、４万人近くが詰め寄せた敵地でも、まったく臆せずに真っ向勝負を挑んだ。最終ラインからしっかりとボールをつなぎ、１トップの都倉賢がボールを収めたタイミングで、両ウイングバックを高い位置に送り込む。そうして攻撃に厚みを持たせつつ、局面ではテクニックに優れた三好康児やチャナティップがアクセントをつけた。
 
　結果はスコアレスドローに終わったものの、リーグ４位につける好調が伊達ではないところを見せつける試合内容。これには、ペトロヴィッチ監督も「１ポイントを獲るに値する試合はできた。もちろん、３ポイントを獲れればよかったが、アウェーで１ポイントというのは悪くない」と選手たちの奮闘を労った。
 
「浦和が強いチームなのはもちろん分かっていた」という古巣が相手だっただけに、なおさらチームの進歩を感じたのかもしれない。

　個々のタレントの質ではどうしても見劣りするが、それをチーム戦術と粘り強さで補った。また、「我々の選手たちは怪我明けでなかなか練習をできないような状況でしたが、そうしたなかでも最後まで勝利を目指して全力で戦ってくれた」とメンタル面の充実も実感している。

　札幌の連勝は３で止まってしまったが、先につながる一戦になったようだ。次節は中３日で迎えるホームでの横浜戦。指揮官が標榜するアグレッシブなサッカーを見せてくれるに違いない。