ハリル前代表監督は、なぜ日本で会見を開くのか? その目的は?

2018年04月21日 サッカーダイジェスト編集部

ハリル側は不当解雇を理由に…

ハリルホジッチ前監督は近日中に来日し、日本協会と話し合いの場を持つという。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 成績不振により電撃解任された前日本代表監督のヴァイッド・ハリルホジッチ氏が27日に都内で会見を開くことが決まった。仕切りは日本記者クラブで、日本サッカー協会は関与していない。6月14日に開幕するロシア・ワールドカップに向けて、西野朗新監督の率いる新体制が発足したばかりのタイミングで、更迭された前監督が主役の前代未聞の舞台となる。
 
 ハリルホジッチ氏は「コミュニケーション不足」「信頼関係の喪失」を理由に任を解かれたことに憤慨。7日にパリ市内のホテルで日本サッカー協会の田嶋幸三会長から契約解除を告げられた際には、報酬の支払いなどが盛り込まれた契約書の受け取りを拒否したという。会見では15年3月の就任から丸3年の成果を数値化した資料を用意して、解任に対する反論を行なうとみられる。
 
 近日中に来日予定のハリルホジッチ氏は会見までの間に、日本協会側と契約解除に関する条件面の交渉を持つ見通しだ。当初の契約は8月末までで、年俸は税抜きの手取りで200万ユーロ(約2億6000万円)といわれている。日本協会側からは違約金の満額となる残り5か月分の給料80万ユーロ(約1億600万円)の支払いを約束されたようだが、前監督サイドは不当解雇を理由に追加の"慰謝料"を求める方針だ。
 
 交渉のハードルは高い。契約書に盛り込まれている解任時の条件を満たしている日本協会側に違約金以外の補償義務が生じる可能性は低く、ハリルホジッチ氏も勝ち目のない訴訟は起こさない見通しだ。田嶋会長は「誠意を持って対応していく」と語っており、誠意が手切れ金の増額になるかが争点となる。納得いく形で契約解除の運びとなれば、融和ムードが漂う余地も残すが、交渉が決裂すれば大荒れの会見となることは避けられない。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事