「足りない額は俺が払う!」 ローマのサポーターがお宝チケットを逃した若き同士に驚きの申し出

2018年04月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

地元紙の編集部に感謝の手紙が届く。

バルセロナを下し、34年ぶりにCLで準決勝進出を果たしたローマ。ファンの期待に応え、ファイナルの舞台に辿り着けるか。(C)Getty Images

 ヨーロッパの頂点を争う大会で、34年ぶりの準決勝進出とあれば、ローマのサポーターが本拠地オリンピコで行なわれる第2レグを観戦しようと躍起になるのは当然だ。

 実際、リバプール戦のプラチナチケットをゲットしようと、ショップの前には多くのファンが行列をつくった。もちろん、落胆して店を出ることになったロマニスタも少なくない。なかでも、目の前で入手するチャンスを失った者たちのショックは相当だっただろう。

 そうした"悲劇"から、同じチームを応援する同士を救いたい――。その男性は、そんな一心から驚きの行動に出たのかもしれない。
 
 イタリア紙『Il Romanista』の編集部に、ローマ・サポーターのアンドレアさんから手紙が届いた。ある人物への感謝の気持ちを伝えたいという内容だった。

 アンドレアさんは朝6時前から列に並び、リバプール戦のチケットを買おうとしたものの、狙っていた85ユーロ(約1万1050円)の席が、目の前で売り切れてしまう。「サッカーの試合に160ユーロ(約2万800円)を払うことはできない」アンドレアさんは、ぼやきながら店の出口に向かった。

 そのとき、アンドレアさんはある男性に腕をつかまれ、こう言われたという。「待て、不足分は俺が払う。これだけ時間をかけて並んだのに、君がチケットなしで帰る姿は見ていられない」 男性は75ユーロ(約9750円)をアンドレアさんにプレゼントすると申し出たのだ。

 だがアンドレアさんは、見知らぬ他人の好意に甘えるには「あまりに高額すぎる」と思い、「驚きと感動を覚えつつ、お断りした」という。編集部への手紙で、「白髪で眼鏡をかけた50歳過ぎ」の名前も知らない男性に、アンドレアさんは改めてこう感謝した。

「ありがとう。あなたは僕の一日をより良いものにしてくれた」

 なおアンドレアさんは、母親から、誕生日プレゼントとして160ユーロのチケットでも買っていいと言われていたという。だが、「正しいことじゃないと思った。母にとって大変な負担だったはずだ」とも記している。

 プラチナチケットはすでにネット上で"お宝化"している。『Sport Mediaset』によると、アンドレアさんが望んだ85ユーロの席を手に入れるのには700ユーロ(約9万1000円)以上が必要で、200ユーロ(約2万6000円)の席に至っては、最高3450ユーロ(約44万8500円)まで高騰しているようだ。
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