前ミランCEOのガッリアーニ上院議員がCL準決勝に臨むローマに託した想い

2018年04月19日 サッカーダイジェストWeb編集部

「3か月間、眠ることができなかった」

活躍の場を政治の世界に移したガッリアーニ氏。彼の望み通りの結果をローマは残してくれるか!? 写真はミランCEO時代の2007年、CL優勝の後。右はマルディーニ、左は現監督のガットゥーゾ。 (C) Getty Images

 昨年4月にミランの株式を中国資本に譲渡し、実に31年にわたって務めてきたオーナーの座を降りたシルビオ・ベルルスコーニ氏。そして、そんな彼の片腕であり、副会長、CEOとして辣腕を振るってきたアドリアーノ・ガッリアーニ氏もまた、ミランから去って行った。
 
 そんな彼が、サッカーとは違う話題でニュースに取り上げられたのは今年1月。突如として政治の世界に打って出ることを表明し、3月の選挙で見事に当選を勝ち取った。現在は「フォルツァ・イタリア」党所属のイタリア上院議員である。
 73歳となって、新たな場で活躍しているガッリアーニ氏だが、もちろんサッカーへの関心を失うことはない。目下、最大の関心はチャンピオンズ・リーグ(CL)で34年ぶりに準決勝に進出し、リバプールと対戦することなるローマに向けられているという。
 
「5月2日の試合(第2レグ)は観戦するつもりであり、ローマを応援するよ。彼らは国内では(ミランにとって)ライバルだが、外国のチームに勝つことはイタリア人全てにとっての勝利だからね」(『FOOTBALL ITALIA』より)
 
 ただ、彼がローマに肩入れするのは、同胞としての想いからだけではない。ミランに関わった者としては、対戦相手であるリバプールは、今でも忘れることのできない苦い記憶を思い起こさせる存在なのだ。
 
「あのイスタンブールでのCL決勝の後、私がどれだけリバプールのことを"好き"になったか、みんな想像できるだろう。私はあの後3か月間、眠ることができなかった」
 
 それほどまでに当時のCEOを悔しがらせたのは、前半にミランが3点を先取し、ほぼ勝負を決したところを、リバプールが後半に怒涛の反撃を見せて追い付き、PK戦の末にビッグイヤーを勝ち取った、いわゆる「イスタンブールの奇跡」と呼ばれる2004-05シーズンCL決勝のことだ。
 
「3-0のスコアからカップを取りそこなうことなど、おそらく他にチームには決して起こらないだろう」
 
 そう回顧するガッリアーニ氏。ミランは06-07シーズンのCL決勝でリバプールを2-1で下して雪辱を果たしたものの、それだけであの悪夢の記憶が消えることはないということだろうか。
 
 もし今回、ローマがリバプールを下せば、ガッリアーニ氏が溜飲を下げるだけでなく、ローマ自身も1983-84シーズンの屈辱(本拠地オリンピコでのチャンピオンズ・カップ決勝でPK戦の末に敗北)を晴らすことになる。果たして、結果やいかに!?
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