【鳥栖】“立ち上がり問題”はクリアしたが、勝利を掴めず。キャプテン・吉田豊が語るもどかしさ「お互いにチャンスが少ないなか…」

2018年04月16日 梶山大輔(サッカーダイジェスト)

「決めきる力で相手が一枚上手だった」

この日の吉田豊は、一列前の左ウイングバックで出場。対峙した中村俊輔に激しい寄せを披露するなど、闘う姿勢でチームを鼓舞した。(C) J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ8節]磐田1-0鳥栖/4月15日/ヤマハ
 
 前半立ち上がりの失点をいかに抑えるか。ここ4試合、30分までに先制点を許すことが続いていた鳥栖にとって、"立ち上がり問題"は重要なテーマだった。
 
 この問題を解決すべく、フィッカデンティ監督は動きを見せた。従来の4バックではなく、3バックで磐田に挑んだのだ。ビクトル・イバルボ、チョ・ドンゴンなど前線の選手のコンディションが良くなかった点に加え、「簡単な失点が続いていることを踏まえて、中央で守る人数を増やして失点を減らしたかった」という理由だったのだが、この判断が功を奏する。キム・ミンヒョクと高橋祐治の両ストッパーが強さを見せ、決定機を作らせない。統率の取れた守備が機能し、前半を失点ゼロで乗り切った。
 
 実際、左ウイングバックでスタメン出場した主将の吉田豊は、一定の評価を下している。
 
「『しっかりと球際を強く行って、前半をゼロで折り返そう』という気持ちで試合に入れた。プレーの気迫もあったし、そこはよかった」
 
 ただ、守備は機能しても1点が遠かった。57分に先制を許し、リードされて迎えた終盤は猛攻を仕掛ける。チョ・ドンゴン、高橋秀人が際どいシュートを放つが、前者は相手GKの好セーブに遭い、後者はポストに嫌われた。結局、惜しいシーンを作りながら、得点が奪えないもどかしさが残った。

「(守備の場面で)5枚並べた時に、そこから攻撃に繋げるところで厚みを出すことができなかったし、そこは試行錯誤してやっていかないといけない。ミラーゲームとなって良い試合はできたけど、お互いにチャンスが少ないなか、決めきる力で相手が一枚上手だった」
 
 気が付けば磐田戦の敗戦で3連敗となった。内容は決して悪くないが、黒星だけが積み重なっていく。ただその状況のなかでも、ピッチ上の選手たちは懸命にボールを追い、フィッカデンティ監督は激しいジェスチャーで勝利への執念を見せている。それだけになおさら、もどかしい。
 
 次節の相手は、ここまで7勝1分けと絶好調の広島。チームを取り巻く雰囲気は対照的だが、首位を倒して勢いに乗ることができれば、これ以上ない薬となる。降格圏に足を踏み入れないためにも、何がなんでも勝点3を手にしたい。
 
取材・文●梶山大輔(サッカーダイジェスト編集部)
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事