もはやギネス級! エジプトのクラブ会長がなんと4年間で23回目の監督更迭!

2018年04月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

日曜日に解任されて翌日に復職していたが…

典型的なワンマン会長であるマンスール氏。エジプト政界にも太いパイプを持つ国内屈指の権力者だ。(C)Getty Images

 エジプトの国内メディアが予想していた通り、今回もやはり短命政権だった。
 
 4月13日、エジプトの強豪ザマレクはイハブ・ハラル監督の更迭と、コーチで弟のハレド・ハラルの暫定監督就任を発表した。先週日曜日に行なわれた国内リーグ、エル・マカサ戦に0-1で敗れて一度解任されていたが、わずか1日で復職。しかし木曜日のアル・イテハド戦にも1-3で敗れたため、ふたたびクビを切られたというわけだ。
 
 ハラル前監督が就任したのは今年1月3日。3月中旬にアフリカ・チャンピオンズリーグで敗退するなどチームの調子は上がらないままだったが、それでも公式戦17試合で指揮を執り、8勝2分け7敗と勝ち越してはいた。ただ、その程度の成績でこのクラブのトップを納得させることはできない。エジプト政界にも太いパイプを持つ65歳の権力者、マイタダ・マンスール会長である。

 
 英サッカー専門誌『Four Four Two』の記事によると、2014年3月の会長選で当選して以来、マンスール氏はなんと4年間で23人の指揮官を更迭してきたという。そこには暫定監督や複数回指揮を執ったケースも含まれるが、いずれにせよ尋常ではない回数だ。
 
 国内リーグで過去12回の優勝を誇る名門ながら、在任4年間での主要タイトルはマンスール会長が就任した2014-15シーズンのリーグ優勝だけで、今シーズンも現在、首位アル・アハリに22ポイント差を付けられての3位に甘んじている。激情家として知られ、少しでも気に入らないことがあるとすぐさま監督のクビを飛ばすのだ。過去最短政権は驚きの29日間。2015年12月5日に就任したブラジル人のマルコス・パクエタ監督は、年が明けた1月3日にスピード解任されている。
 
 同誌は、「マンスール会長の監督キラーぶりは史上最強レベル」と評し、「かつてカリアリでオーナーを務め、現在はリーズ・ユナイテッド会長のマッシモ・チェッリーノをも凌ぐものだ。イタリア人実業家は22年間で36人のクビを切ったが、マンスールは完全にその上を行く」と報じている。
 
 まさにギネス級の"更迭王"。それでも引き受ける監督がいるのは報酬が良いためだとされているが、契約解除に伴なう違約金の総額は半端ないものになっていそうだ。
 
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