【藤田俊哉の目】西野ジャパンの先発布陣を探る!! 鍵を握るのは長谷部、岡崎!“一発逆転”の条件は…

2018年04月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

リスクや非難を承知のうえで、変革を求めた協会の前向きな姿勢は評価したい

日本代表は西野朗新監督の下で新たなスタートを切ることに。藤田氏は長谷部と岡崎をキープレーヤーに挙げるが、その理由とは? 写真:サッカーダイジェスト

 ハリルホジッチ監督解任――。このニュースを聞いた時、正直驚いた。
 
 代表監督が解任の憂き目に遭うことは決して珍しいことではないが、驚くべきはそのタイミングだ。3月のベルギー遠征の後に日本協会は、本大会までハリルホジッチ体制をサポートすることを明言していたから、監督交代という選択肢はないと思っていたけれど……。ワールドカップ本番まで2か月と迫ったこの時期に、日本サッカー協会は、まさに驚くべき決断を下したのだから。
 
 しかし、その決断についてはまったく驚きはない。
 

 時期を考えれば、やはり昨年のE-1選手権の韓国戦に1対4で敗れた時点だっただろう、という個人的な感情はさておき、ベルギーでのマリ、ウクライナ戦でのチームの雰囲気や選手たちの表情からも、不安材料しか見当たらなかった。現体制のままワールドカップに臨んだとしても、おそらく1勝はおろか、勝点1、1ゴールすらも奪えずに大会を後にするだろうと見ていたのだ。
 
 それほどチーム作りがうまくいっているとは思えなかったし、ハリルホジッチ監督の求心力も著しく低下していた。まさに危機的状況に陥っていた。だから、なんらかの起爆剤が必要だと思っていた。協会のリスクマネジメントについては疑問符がつくものの、今回の決断に関してはイエスの立場だ。
 
 後任監督には、西野朗技術委員長が就任した。チーム事情を把握している人物という点から選んだとのことだが、背に腹は代えられない、といったところだろう。2年後の東京五輪を見据えて、五輪代表監督の森保一さんがチームを率いるのも、ひとつのアイデアだったかもしれないが、現実的に考えて、このタイミングで日本代表の監督を引き受けてくれる人なんてなかなかいない。ワールドカップを経験したことのない日本人指揮官で戦うのは……という不安の声もあるようだが、ハリルホジッチ体制のままでも、不安はつきまとっていた。ならば、ワールドカップで戦えるチャンスを無駄にしないためにも、せめて悔いのないような戦いができる環境だけでも整えたい――。そうした考えから、リスクや非難を承知のうえで、チーム変革を求めた日本協会の前向きな姿勢については素直に評価したい。
 

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