「傑出した存在」 敵将も称賛した伊藤達哉のパフォーマンス! 主将・酒井も「楽しかった」と満足

2018年04月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

メディアも最高評価! だが本人は浮かれることなく…

22節から5試合連続でベンチ外となった伊藤だが、ここきて重要な戦力であることを証明。厳しい戦いの続くハンブルクの救世主となれるか!? (C) Getty Images

 4月7日(現地時間)に行なわれたブンデスリーガ第29節で、ハンブルクはシャルケを3-2で下し、実に16試合ぶりとなる勝利を挙げたが、この試合で見る者に強いインパクトを与えたのが、2列目左サイドで先発出場した伊藤達哉だった。
 
 前半から積極的にドリブルで仕掛け、パスでもチャンスを作り、また敵陣で何度もボールを奪取するなど、攻守で大奮闘。52分には左サイドを突破してホルトビーの勝ち越しゴールを演出し、目に見える結果を残した。

 初のフル出場も果たした伊藤についてはメディアも高く評価し、地元紙『ハンブルガー・モルゲンポスト』は「これまでのベストパフォーマンス」と綴り、全国紙『ビルト』も最高採点「1」を与えている。
 
 伊藤がいかにシャルケに脅威を与えたかは、敵将ドメニコ・テデスコの「我々が止められなかったあの"少年"は、傑出した存在だった」というコメントからも窺える。またテデスコ監督は、ハンブルクに対しても「間違いなく勝者に相応しいチームだった」と称えた。(『ハンブルガー・モルゲンポスト』より)
 
 ハンブルクの公式ツイッターでは、試合後の選手・監督のコメントが紹介されているが、そのなかでキャプテンの酒井高徳は、「彼のスピード、ドリブル、自信が戻ったのを見るのは楽しかった」「『もし、お前がこのスピードで仕掛けたら誰にも止められない』と、僕は彼にいつも言い続けてきた」と語っている。
 
 そして伊藤本人は、「『サイドを突破する力はロッベン、リベリと変わらないが、その後の質が違う』と言われました。突破した後、いかに得点に繋げられるかということを試合中、ずっと意識していました。それが2点目でかたちになって良かったです」と明かした。
 
 残留争いで厳しい状況に置かれているなか、2位のシャルケを気迫で押し込み、先制点を奪われたり、同点とされても気落ちすることなく、終盤で決勝点を奪って勝点3を得て最下位を脱したハンブルク。だが、まだ自動降格圏内であり、残りの5試合でも手ごわい相手が待ち構えている。
 
 危機的状況に変わりないことは、もちろん、選手も自覚しており、酒井は「この難しい状況から抜け出さねばならない。一歩一歩進んでいくしかない。しっかりと集中し続けないと」と気を引き締める。
 
 そして伊藤も、活躍に浮かれることなく、「何かを成し遂げたわけではない。これからが始まりです。この勢いを、次の試合に繋げていけるよう、全力で練習に全力で取り組んでいきたいと思います」とのコメントを残した。
 
 次節(4月14日)はホッフェンハイムとのアウェーマッチ。残留争いのライバルであるケルンが27節に0-6の大敗を喫した相手に対し、ハンブルクはどのような結果を残すのか。そして、チームの命運がかかったこの一戦で、伊藤は再び決定的な仕事を見せられるろうか。

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